公安調査庁パンフレット解説・官庁訪問対策 ~スパイになりたいあなたへ【2020年度版アップデート】

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2015年7月29日インテリジェンス・治安

公安調査庁(以下、公安庁)は情報機関、業務内容はスパイです。
トップイラストは公安調査庁の平成26年度採用パンフレット

ネットで話題になりました。

ついにスパイまで萌えの時代に入ったか、目立ってはいけない存在のはずなのに。
みたいな感じで。

(上記画像は説明に必要な範囲でパンフからカットしています。政府刊行物なので著作権法違反にはあたらないと判断してですが、公安庁からクレームがついた場合は削除します)

本記事では、元職員の私が本件採用パンフレットの内容について解説します。
単なる説明というレベルにとどまらず、

質問者の写真

公安調査庁行きたい!
スパイに興味ある!
公安って謎だから知りたい!
 
解答者の写真
いずれの需要にも応えさせていただきます
 

【2020年3月27日 追記】

内容を2020年度版パンフレット基準にし、大幅に改稿しました。
特に注釈がない限り、引用元は2020年度パンフレットです。

あまりに分量が多いので、少しずつ別記事に分離していく予定です。

もくじ

公安調査庁とは?

解答者の写真
公安庁は破壊活動防止法等に基づき、公共の安全を脅かす可能性がある団体等の調査をおこなう法務省の外局です
 

もう少し具体的に言うと二つの顔を持っています。

一つは情報機関
俗な表現を用いれば、いわゆる「スパイ」を業務内容としています。
一つは規制官庁
オウム真理教への立入検査は、報道でも目にするところでしょう。

質問者の写真

なんだかすごそう……
 
解答者の写真
イメージはね
でも残念ながら、霞が関では無名で弱小で底辺扱いされているのが実情なの……
 

 

私なんて国家一種の人事院面接(現:人物試験)で

質問者の写真

なんであんな三流官庁行くんだ!
霞が関の底辺もいいところじゃないか!
 

とか、とんでもないこと言われました。
人がどこ行こうと大きなお世話だ。

でも、だからこその試み。
当時の人事課総括課長補佐は、

解答者の写真
とにかく役所の名前を知ってもらう
 

純粋にそれだけの理由で実施したものと伝え聞いています。
(注:総括課長補佐=課のナンバー2であり、実務を取り仕切る番頭役的なポスト)

発案した総括はアニメやイラストの萌え文化には程遠いところにいるお洒落さん。
聞いた時は口をあんぐり開けてしまいました。
よくぞ思い切ったものです。

官報によると、当時の総括は今年から東北局長とか。
東北局に採用されたら会うことになるでしょう。

平成26年度パンフレットとそれ以降の変化について

ついでなので、ここまで語ってしまいましょう。
あくまでも個人的な感想です。

最近では官公庁やこれに準じる団体のポスターが「女性蔑視」として話題になりがち。

こういう例ですね。
ラブライブ!も駅乃みちかもどちらもです。

かえるちゃんさん様の解説は心から感服しました。
非常に的確です。

本件パンフは絶妙なラインだったのではないでしょうか。
媚びは感じる。
でも性的なものは感じさせない。
公的機関に求められるお堅さと廉潔さは維持している。
まさに行政の示す萌えの見本と思います。

それでも年々萌え度というかアニメ度が落ちていき、ついに普通のパンフに戻ってしまいました。
万人向けを意識したのか、お堅い本省から横槍入ったのかはわかりませんが。
ちょっと残念だったりします。

著者および本記事執筆の動機

本記事は、「公安調査庁・私の小説の読者・官庁訪問する方」という三つの対象を念頭において書いています。

公安調査庁

一時は身をおいた場所、愛着はそれなりにあります。
古巣が存在をアピールしようと頑張るなら、少しでもその応援になれば。
そう思って書きました。

国家にとって大事な仕事をしているはずなのに、名前すら知られていない。
友好国のCIAなんか、あんなに有名なのに。
日本だって警察庁や外務省ばっかり、公安調査庁の名前が出るときときたらオウムか不祥事だけ。

質問者の写真

世の中、声の大きい者が勝つって真理だよね
 

公安調査庁の宣伝下手は在職中より頭抱えていた部分ですから。

ただ、「それなり」にすぎません。
公安庁は自ら出て行った組織なのですから。
むやみやたらに持ち上げる義理もありません。
いいことも悪いことも織り交ぜながら、等身大の姿を話せる範囲で記します。

実は、今まで口にしなかった、もう1つの動機があります。
これについては別の機会に記そうと思います。

私の小説の読者

現在の私はプロの小説家を「目指す」身。詳しくはこちらを。

「小説家」と書かれていますが「小説家」ではありません。

質問者の写真

出版業界においてアマチュア小説家を「小説家」とは呼びません
当時の著者の社会における肩書は「パチンカス」という名の「ニート」です
 

本当に転身できたらいいんですけどね。
いまはニートを脱出してパチンコホールのヒラ店員ですが、そこはおいときまして。

私を応援してくれる読者の多くは、みんな公安調査庁なんて知らない人達。
そのため、作品世界観を深めるのに役立てていただこうと書いたものです。

……と言いますか、これが一番の理由です。

本当は表に出るつもりありませんでした。
しかし「キノスパもっと他の人にも読んでもらいたい」と応援してくれた人達がいたから宣伝してみました。
気づいたら全開で表に出てしまっていたのが実情です。

官庁訪問を行う方

官庁訪問は真贋織り交ぜ様々な情報が飛び交い、精神がすり減ります。
匿名掲示板のスレなんて覗こうものなら、振り回されっぱなしになりかねません。
私のときでもどれだけ怪情報が乱れ飛んだことか。

質問者の写真

本記事の内容は、著者が庁内で直接見聞したことだよ
 

あくまで私の在職時の話ではありますが、出所不明な情報よりは信頼できるものかと思います。
退職してからかなりの年月経ちますが、大幅な変更はない様子です。
退職以降において変化した事情についても、私の知る範囲で修正しています。

本記事に関する質問について

メールでの質問は一切受け付けません。
コメント欄にお願いします。
コメント欄に書けないというなら公安庁、人事院、総務省などに直接問い合わせてください。
公務員試験の専門学校でも相談に乗ってもらえます。
本当に深刻な質問は、いずれにせよ、私にも答えられないことがほとんどです。

コメント欄でメールアドレスやSNSアカウントを記すのに抵抗があるなら「捨てメアド」を作成してください。
(Disqusを用いているのはスパム防止のためですので、当サイトとしてはそれで構いません)

解説の構成

質問者の写真

まず2020年採用パンフレットについて解説するよ
パンフレットは下のリンクからダウンロードして
 

解答者の写真
その後、著者が足りない事項を補足します
 

公安調査庁採用パンフレット解説

はじめに

質問者の写真

数年前から、ちゃんと本当のことが書かれるようになったよね
 
解答者の写真
著者の時代のパンフレットって人事ローテーションとか研修内容とか大嘘だったものね……
 

質問者の写真

しかも、ちゃんと実在する職員がコメント出してる
 
解答者の写真
昔は偽名どころか、人事課が作った架空キャラだったものね……
 

採用希望者向けどころか、法務省本省向けの「新人職員の感想」すら丸ごとフィクションでした。
そういう業務ということです。

ちなみに本省においては、公安庁職員を「名前」でなく「数字」で管理しています。
それゆえ「moj.go.jp」ドメインのメールアドレスももらえず。
しかたなく、みんなプライベートのメアドを仕事で使っていました。
(パンフが本当のこと書かれるようになってますから、今は違うのかもですが)

解答者の写真
全体を通してだけど
数年前のパンフと違って首を傾げる箇所が大幅に減ったわね
その一方で書くべきことは書かれていて、いいパンフになったと思う
 

質問者の写真

ケチつけまくってやろうと思ってたのにつまんない……
 

表紙

右側(表紙)

質問者の写真

今年度は随分と簡素な表紙になったねえ
官庁っぽくはあるけどさ
 
解答者の写真
最近のWEBサイトってフラットでシンプルなグリッドデザインが主流だし、合わせたのかもね
清潔感があって、私としては好感持てるわ
 

昔のパンフは悪い意味で官公庁っぽいというか。
画像を載せて比較してみれば面白いかなとは思うのですが。
私の部屋は腐海。
埋まっているのを探し出すのは辛いので御容赦ください。

左側(裏面)

質問者の写真

公安庁の住所は「千代田区霞が関1-1-1」
一発で覚えられるね
 

パンフに書いていない駅ですと、有楽町駅からも歩けます。
JRを使う場合の参考に。

2枚目

質問者の写真

いろいろ長々書いてて、よくわかんない!
だからお偉いさんは嫌いなんだ!
 
解答者の写真
こら!
長官の言葉のキーワードは「インテリジェンス・オフィサー」と「ヒューミント」です
公安庁の業務を知るにおいては、この2つのワードを軸にしてください
志望動機も、その方が作りやすいでしょう
 

インテリジェンス・オフィサーとは情報機関の職員(機関員)をいいます。
ヒューミントとは人的情報収集をいいます。

特に現場については、こちらの記事がイメージを掴むのに役立つでしょう。

3枚目

左側

質問者の写真

「2 0 2 0 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えていることから」という文章が切ない……
 
解答者の写真
本当にね……
 

 

一通り目を通した上で「内外情勢の回顧と展望」を読むと、公安庁の業務範囲についてイメージが掴めます。

内外情勢の回顧と展望は、庁内において「回展」と呼ばれています。
あえて断っておきますが、

解答者の写真
インターネット版回展は、一般人に向けた初歩の初歩です
 

仮にも情報機関を名乗る官庁の業務が、こんな程度のわけないでしょう。
この辺りの話については別の機会に改めて記すつもりです。

本物の回展は「極秘」扱い。
資料の厚さも違います(経済白書並の厚さ)。
もしネットに流せば右も左も大炎上間違いなしの内容です。

右側

内閣情報会議と国家安全保障会議は、ざっくり言うと、我が国における治安・インテリジェンスの総本山。
詳しくはウィキペディアの説明を読んでください。

内閣情報会議と合同情報会議の違いはメンバー。
内閣情報会議は次官級で、公安庁なら長官が該当します。
合同情報会議は実務トップで、公安庁なら次長が該当します。

解答者の写真
公安庁が情報を収集・評価する基準は国家中枢に上げるに足るか
ただ、それのみです
 

質問者の写真

ノンキャリアでの入庁を志望する人は、実務に就いたら「調査課題」を読むことを意識しよう
調査課題に書かれているのが、そのまま政府に求められている課題
案外みんな知らないから報告書評価取り放題だよ!
 

「みんな知らない」というのはまずいんですけど……本当にそうなんです。

解答者の写真
報告書評価は、文字通り、現場(=地方支局)が本庁にあげた報告書の評価のこと
現場の職員にとってはメインの勤務評定でもあります
 

それだけに月が変わると、現場では課長からヒラまで報告書評価待ちでそわそわします。
そして「来なかったか……」と肩を落とす人の方が大半だったりします。

しかし残念ながら

質問者の写真

評価が来ないのは調査課題に沿った情報をあげてないからだよ
 

さすがに在職時、大っぴらに口にしたことはありませんけど。
キャリア同士・本庁職員同士で仕事の話になるときは皆が口を揃えます。

評価を与える基準は、先述した通り、情報が会議の役に立つかどうか(間接的貢献)。
ひいては会議に使われるかどうか(直接的貢献)。
それゆえ調査指示を念頭におくだけで、評価をとれる率は格段に跳ね上がります。

まだ志望者にすぎない皆様に話してもしかたないのですが。
もし入庁することになりましたら、ぜひ意識してみてください。

本項の記述は後で説明する話にも繋がっていきます。

4枚目

どこに何があるか、そのままです。

ちなみに研修所には恵比寿に研修尞があります。

質問者の写真

Googleマップに、はっきり「公安調査庁研修所恵比寿尞」って載っちゃってる!
 
解答者の写真
昔は地図でも空白にされてたのに!
 

今調べて知ったのですが、びっくりしました。
本当に本気で本音でびっくりしました。
「地図にも載ってない場所」って書くつもりで、数年前は実際に載っていませんでした。
時代も変わったものです……。

もっとも研修尞は「財務省に持って行かれる」という話でした。
今も残っているのは何よりです。

なお、キャリアの場合は2年目から2年間、地方支局に出向します。
(制度が変わっている可能性はあります。例えば私の一期上とそれ以前でも制度が異なります)
その際、自分の出身地に赴任することは基本ありません。
私の知る限り、女性キャリアの先輩が唯一の例外だったくらいです。

解答者の写真
ただ、配慮はしてくれます
 

例えば私は近畿局でしたが、これは予定していた局の中で一番実家(広島)に近いから。
私は母一人、子一人の母子家庭育ち。
だからいざ母に何かあった時、すぐ駆けつけることができるように。
大阪へ行く直前、仲良かった先輩が教えてくれました。

5枚目

基本的に、各欄左側の文章のみ解説します。
右側は職員の感想ですので、私が何かを言うところじゃありません。

若手でも、政府の重要施策の推進に貢献できる仕事。

質問者の写真

これは「ガチ」だよ、特にノンキャリアね

プロスポーツでルーキーがいきなり活躍することがありますが、公安調査庁の調査官にも同じことが言えます。

現場について記します。

現場の場合、職員の勤務評定は「協力者登録の有無」、ついで「報告書評価の本数」でなされます。

解答者の写真
協力者登録というのは、公安庁に協力してくれるスパイを敵組織に作り上げることです
 

「協力者」は隠語で「客」と呼ばれます。
「協力者登録」は「登録」ないし「獲得」と呼ばれます。

協力者登録においては、客から入手した情報が合同情報会議で使われることが絶対条件なので、必然的に報告書評価がついてきます。
客を獲得していない場合は報告書評価で査定されます。

……と書くのは簡単なのですが。

質問者の写真

獲得なんて滅多にできないから!
評価だって滅多にとれないから!
 

獲得を目指す仕事が、まさしく俗に言われるスパイ工作。
厳しくて難しくて当たり前です。
昔なんて「1人登録できたら3年間は遊んでいい」と言われていました。
それくらいに獲得に至った年度は精神が疲弊して擦り切れてしまっています。
(「他の職員にも活躍するチャンスをあげてね」という意味もあります)

報告書評価も然り。
年間で1本ももらえないのは普通です。
政府中枢に送られるということは、それ自体が国家機密。
言ってみれば自分の手で国家機密を入手してこないといけないのですから。
もちろん周辺情報でもいいのですが、それでも難しいです。

しかし、そんな状況だからこそ、新人でも活躍できます。
なんといっても、

質問者の写真

とるかとらないか、それだけだもん
 

公安庁では過程を評価してもらえません。
とことんまでの成果主義です。
そして成果を評価してもらうためのハードルが高いゆえオールオアナッシングなんです。

(ただしスパイ工作が進む前提として報告書評価を数本とっているはずなので、仮に登録に至らなくとも、その意味では過程を評価してもらえる)

さらに、

解答者の写真
新人だろうとなんだろうと、成果さえあげれば一目置かれますし、成果に応じた扱いをしてもらえます
 

若手であっても高度な情報を入手することができ、政府の重要施策の推進に貢献することができる。

前者は現場。
先に述べたそのままです。

一方で本庁はどうか。
残念ながら現場みたいな一発場外ホームランみたいな技はできません。

現場仕事ですと、新人でもセンスさえあれば経験の差を埋めることができます。
しかし本庁の分析ですと、知識と経験がそのまま実力になります。

特に分析官の目は、大量の良質の情報に触れることのみで養われます(特に非公然情報)。
勉強して知識の差を埋めることができても経験は埋められないんです。

ただし、ヒラの段階から戦力としてキッチリ扱われます。
その限りにおいて「政府の重要施策の推進に貢献することができる」は記述の通りです。

上司や先輩に同行して情報収集の「イロハ」を学ぶほか、

その通りです。
秋口までは、上司の工作対象者(マルタイ)の基調へお供して仕事のやり方を覚えます。

解答者の写真
基調とは、書類収集・監視・聞き込み・尾行などでマルタイの全てを洗い出すことです
 

質問者の写真

ストーカーそのものだね♪
 

秋口には練習のためのマルタイを作ります。
自分で選ぶこともあれば、上司があてがうこともあります。
その先はもう自分次第です。

解答者の写真
こうしたシステムゆえ、誰が上司になるかで今後の調査官人生が大きく左右されます
 

教えるのが上手い上司につければ早期の段階から実績を挙げます。
この典型が、かつて私の上司だったNさん。
Nさんには同期が3年目までで3人仕え、2人が登録、1人が登録寸前まで。
さらに私も登録しています。
ミラクル上司と呼んで差し支えありません。

ただ教える能力と仕事の能力は必ずしも比例しません。
有能の評価を得ていても、自分の仕事が忙しくて指導する時間がとれない上司もいます。
そういう意味でも、上司は「運」です。

様々な研修プログラムを受け、調査手法を身につけていきます。

質問者の写真

これってどうなの?
 
解答者の写真
うーん……
 

正直申しまして。
現場の調査官に対する研修は形だけも同然です。
以下は私の在職時の話となります。

一研(初任者研修)。
入庁した年の5月、キャリア・ノンキャリア両方の新人職員が合同で受けます。
新人職員達は恵比寿の研修尞に集められ、1ヵ月間、寝食をともにします。
研修といっても、教えられることは超のつく基礎知識のみ。
実質は同期の仲を深める親撲会といったところです。

最近は工作実務関連についても教えるようになったと聞いてはいます。
しかし研修所の人員的にも研修の時間的にもタカが知れているでしょう。

二研。
ノンキャリア主任クラスの研修で、確か5年目だったと思います。
ごめんなさい、何をやるのか全く知りません。

語学研修。
庁内で開催される中では、数少ないまともな研修です。

実務担当者研修。
逆の意味で研修とは名ばかり。
実態は各局・事務所で好成績をあげている調査官を集めた作戦会議です。

公安庁においては、現場職員に対しても情報が秘匿されます。
分析と収集・工作の間で区分の原則が働いているというのもありますし。
昔は情報漏洩が相次いでいたという情けない事実もあります。

そうした外部へ漏れてはならない情報を、本庁分析班が選んだ調査官のみにレクチャー。
本庁分析担当班と調査官で今後の情報収集計画を討議し、個別具体的な指示を出します。
実担に呼ばれるようになれば名実ともに一人前です。

これら以外の庁内研修は、基本的に形だけ。
ただ、致し方ない面もありまして。
公安庁は「個人商店の寄り集まり」と言われます。
各人で仕事のやり方が違えば中身も違うから、教えられることが限られるんです。

ただし制度としてではありませんが、

解答者の写真
現場で独自に研修を行う場合があります
 

例えば私がいた近畿局の場合。
当時の専門官(=現場における総括課長補佐ポスト)が私と後輩に、一日一時間、朝鮮調査にまつわる基礎を授業してくれました。
在日朝鮮人の歴史、問題、スパイ工作を行うポイントなどなど。
専門官の厚意によるもので、もちろん感謝しています。
しかしそれ以上に、もし新人のうちに色々教えてもらってなかったら……。
そう思うとゾッとすらします。

公安庁人事課いわく

解答者の写真
当庁が霞が関の底辺なのは、職員全体の1割しか戦力になっていない現状だから
2割になるだけで当庁は一流になれるのに
 

巷では「働きアリの法則」が知られています。
別名「2-6-2」の法則。
どんな組織でも一生懸命働く人が2割、普通に働く人が6割、働かない2割になるというものです。

しかし、

質問者の写真

その2割に届いていないんだもんね……
 

仮に公安庁の人がここを読んで「キャリアが偉そうに!」とお腹立ちになった場合。
このセリフを口にしたのはノンキャリアですので悪しからず。

ただ、同情するところはあります。
知識もない、経験もない、勘所もわからない。
ないない尽くしなのに動け、働け、成果あげろと命じられる。

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それって、何の罰ゲーム!?
 

確かに、私の目から見ても人事課職員のおっしゃる通り1割でした。
2割に届かないのは、スパイ工作という特殊な業務ゆえ成果をあげるのが困難という本質的な問題をはらんでいます。
それゆえどうにもならないところはあるのですが。
少なくとも教育によって職員レベルの底上げを図ることはできます。

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いつまでもOJTという言葉で逃げてないで、もうちょっと本気で制度作ったらどうでしょう
 

辛辣ながら、そのくらいは言わせてもらいます。

例えば財務省。
キャリア内定者には、入省前に公認会計士合格レベルを基準に経済学を叩き込みます。
経済職に限らず法律職でも。
スパルタぶりに友人が泣いてましたけど、そのくらいはやったっていいんじゃないですかね?
公安庁で経済やってもしかたないので、語学とか法律とか担当分野の基礎知識とか。
「公安週報」や「回顧と展望」は公然情報限定ですし、これらを素材に講義を行うとかいいんじゃないでしょうか?

解答者の写真
ほか、人事院など他省庁で開催される研修にも応募できます
 

私は総務省の経済統計分析研修に参加しました。
人事院研修は選抜が厳しいので、行きたいと思うなら勉強頑張ってください。

相手の心を開き、信頼関係を築くマニュアルはありません。あなた自身が、誰から、どのように情報を入手するかを企画し、これまでに培ってきた経験や知識、個性を最大限活かして、相手と向き合っていく。

質問者の写真

ほんそれ
 

なんです。

スパイ工作におけるセオリーはあります。
例えば

解答者の写真
金を渡せ、とにかく渡せ
会う度に金を渡し続けろ
 

みたいな。

これは2つの意味があります。

  • 金を渡すことで相手を堕落させること、渡す金をあてにしはじめたら落ちたも同然。
  • 諜報の世界においては情報のバーターが原則、金で買えるなら安い。

しかし言うは易し。
初めてお金を受け取ってもらうまでがスパイ工作における一つの壁なんです。
そこで、どうやって渡すか策を練るのですが……ここにマニュアルはありません。
自分の個性と相手の個性の両方を考慮に入れつつシナリオを作ります。
もちろんお金を受け取ってもらえるようになるくらいの信頼関係を築き上げることも、これに含まれます。

こんな話、研修じゃ教えません。
でも不思議といつの間にか知っていたりするものです。
現場は綺麗事だけじゃ仕事できません。
そのことだけは志望するなら覚悟しておいてください。

現場調査では、公安調査庁のことを快く思わない相手であっても根気強く面談を重ね、「あなたのためなら」と情報の提供を受ける関係を築くことが重要になります。

柔らかく書いていますが。

解答者の写真
公安庁の商売相手は「敵」、そのことは心してください
 

どこかで読んだ記事ですが、「公安庁は客の親の葬儀まで面倒みた」という記述がありました。
事実かどうか知りませんけど、そんなの普通です。

解答者の写真
公安庁は警察みたいな強制権を持っていません
 

 

調査官に使える武器は誠意のみ。
できることなら何でもやります。
およそ公務員とは掛け離れた姿ですが、ここが警察と大きく異なる点の一つです。

あまり他官庁のことを悪く言うのは差し控えたいところですが。
警察は基本的に上から目線。
ただですら敵なのに、反感買うのは容易に想像できるでしょう。

人員・予算・権限。
全てが圧倒的に劣る公安庁が警察を時折出し抜くことがあるのは、こうした背景があります。

質問者の写真

警察に屈服させられるくらいなら公安庁に協力した方がマシだ!
 

そう思ってくれる「敵」の人達が少なからずいるからです。

情報分析力で、公共の安全に寄与。

本庁の話となります。

最初の部分はそのままなので飛ばしまして。

情報分析では、論理的・客観的な思考力だけでなく、日々の関連情報の蓄積から得られる豊富な経験・知識、わずかな変化も見逃さない洞察
力、政策決定者に一瞬で情報の要点を伝える表現力など、全ての能力を総動員する必要があります。

この中で一番難しいのは「客観的な思考力」じゃないかと思います。
個人的にはですが、ネットによくあるインテリジェンスごっことプロのインテリジェンスの違いはここにあるんじゃないかと。

解答者の写真
言い換えると、自分を否定する勇気
 

入庁して本庁勤務になったとして。
もしかしたら、こんな風に怒られることがあるかもしれません。

質問者の写真

「お前の考え」は要らないんだ!
 

自分の都合のいい方向へ論理を結びつけがち。
そして主観を交えがち。
人間そういうものだから仕方ありません。
私もインテリジェンスでなければ自らにとって都合のいい論理を組み上げます。

しかしインテリジェンスはノイズに埋もれた真実を浮かび上がらせる作業です。
どんな不利益な真実が待ち構えていようと、真実である限りは認めなくてはなりません。

本項では分析官を「料理人」に例えていますが。
インテリジェンス・オフィサーは真実の探求者であり、伝達者。
誇るべきでもあり、一方でその程度にしかすぎません。
主役は情報を食す側たる施政者です。
料理が美味いか不味いかは、あくまでも御客様が判断すること。
そのことはゆめゆめ忘れないでください。

本庁調査部に集まる百戦錬磨のプロたちのサポートを受けながら

本庁原課における教育体制はきっちりシステム化されています。
現場と異なり、誰が就いてもやることもやり方も同じですから。

実力次第で幹部要員として選抜される、独自の制度。

まったく書いてある通りです。
詳しくは別記事を御参照ください。

自身を磨き、ワールドワイドに活躍。

まず総論として。

質問者の写真

キャリアの場合、ほぼ一度は大使館に出向するよ
 
解答者の写真
これは幹部になるまでに最低2回は他省庁出向を経験しないといけない取決めがあるためです
そして公安庁の場合、出向ポストの多くが大使館ですので
 

質問者の写真

ノンキャリアも国外畑の人は大使館行く機会あるよ
 

どうして、こんな大使館ポストが多いか?
もう少し詳しく説明しましょう。

通常、出向ポストはバーターなのが霞が関のしきたりです。
A省があるポストをB省に渡す、B省はそれに応じたポストを渡す、といった感じです。

解答者の写真
しかし公安庁では他官庁の出向を受け容れていません
ごく一部に例外的に警察庁から受け容れているだけです
 

もちろん機密保持のためです。

警察庁からは調査第一部長、2ー4管理官(中国担当)、1-1の課長補佐。
最後はノンキャリアですが、今もいるのかは知りません。
やはり情報が漏れないように決裁ラインから外されています。

そのため公安庁は一方的にもらう側となります。
どうやってもらってるか。

質問者の写真

一言で「抱き合わせ」
誰も行きたがらない国と普通の国をまとめて引き受けてるんだ
 

アフガニスタンとかシリアとか、その典型ですね。
今も残ってるのか知りませんけど。
基本的にノンキャリアが行きます。

後者は代表的なのがアメリカ、最近ですとサウジアラビアとか。
基本的にキャリアが行きます。

一見してキャリアばかりおいしい思いしてそうに見えますが、そんなことはありません。
あるキャリアの先輩は空爆真っ最中のユーゴへ赴任させられました。
逆にノンキャリアでも、フィジーみたいな観光に行くとしか思えない国に赴任するケースもあります。

解答者の写真
どこの国に行かされるかは「運」です
 

キャリアの場合、ワシントンだけ計画的な人事が組まれています。
しかし他はローテーションの空いた人から適当に押し込まれます。
私の同期ですと、1人がトルコ、1人がEU代表部ってところです。

ノンキャリアについては、海外勤務を志望するか聞いておいて適当に話を振っていたような。
また、本庁2-3(朝鮮)、2-4(中国・ロシア)へ若手のうちへ配属された場合、担当国へ赴任する可能性が高いです。

公安調査庁は、世界20か国以上の在外公館に2~3年のサイクルで職員を派遣しています。派遣された職員は、情報収集・分析業務の経験を活かしつつ、外交官として我が国の重要施策の推進に貢献しています。

質問者の写真

嘘はついてないよね
 
解答者の写真
情報収集・分析業務を「する」とは書いてないからね
 

キャリアの場合、どんな仕事をするかは赴任先の大使館によります。
まったく関係ない業務の方がざらです。
ただその場合でも、現地の情報機関と付き合ったりくらいはします。

また、職員を海外に派遣し、諸外国の情報機関と情報交換するなど、海外の関係機関との連携強化も行っており

解答者の写真
海外情報機関への派遣については、出張で赴く場合と留学生として赴く場合があります
 

まず出張で赴くケース。
例えば、イスラエルへ赴いてモサドで朝鮮情勢のブリーフィングを行うなどしています。

次に留学生として現地に滞在するケース。
当時はドイツ(キャリア)とイスラエル(ノンキャリア)がありました。
ドイツは今もあるかわかりせんけど、イスラエルはあるでしょう(重要ポストなので)。

イスラエルについては、こちらを。

公安調査庁では英語を始め、中国語、韓国語、ロシア語、アラビア語など様々な言語の語学研修を実施し、海外勤務だけでなく、現場調査や情報分析において語学力を活かして活躍する職員を育成しています。

これら語学については、本庁でなり語学学校でなりで研修を受けさせてくれます。
また庁としてのシステム以外にも、局で独自に行かせたり、費用補助してくれたりするケースもあります。
独習したい方には総務課で英語の学習教材を貸しだしてくれます。

6枚目

ものすごくどうでもいいんですけど。

質問者の写真

DAYS AT PSIAって……atが大文字なのは気持ち悪い!
 

高校時代の英語偏差値25、入庁時にTOEIC350点しかとれなかった私すら思います。
パチスロのATじゃないんですから。

左側1人目

まずは本庁職員のスケジュール。

冒頭の文章は読み流しちゃってください。
重要なのは1日のスケジュールの方です。

今のシステムがどうなってるか知りませんし各課で仕事のやり方違うのでなんともですけど。
色々ある日なら、だいたいこんな感じじゃないですかね?
時期によってもかなり変わります。

大事なのはここ。

18:15 退庁
特段の事情がなければ定時退庁が基本。

本庁調査部の場合はガチ。
霞が関残業哀史とは無縁の職場です。

特にキャリアが定時に退庁できる官庁は、霞ヶ関の中でも公安調査庁くらいではないでしょうか。
他官庁みたいに変な雑用で使われることも、残業に付き合わされることもありません。

質問者の写真

区分の原則の影響で個人主義が徹底してるからね
 
解答者の写真
区分の原則とは、情報機関における「他人の仕事を知ってはいけないし知ろうとしてもいけない原則」をいいます
 

この帰結として、自分の仕事は自分で片付けないといけませんし他人の仕事を手伝うこともありません。
だから自分の仕事さえ終わっていれば、国会待機当番の日を除き、定時に帰ることができます。

キャリアにはなりたいけど過労死や自殺をしたくないという方。
仕事に人生捧げたくない、または趣味も存分に楽しみたい方。
これらの方にはオススメできる官庁です。

解答者の写真
ただし総務部、特に広報・審理は残業があります
 

広報は文字通り広報業務もしていますが、実際は公安庁における国対部門(国対=国会対策の略)。
キャリアの中でも特にコミュ力の高い職員を配属する傾向にあります。

審理は他官庁でいう法規部門、やはり国対の関係です。
キャリアノンキャリア問わず法律職や法学部出身の職員が配属される傾向にあります。

採用時に職種や学部は関係ありません。
しかし入庁後の人事ルートには割と影響します。

左側2人目

現場職員のスケジュールです。

6:00 起床〜出勤準備
新聞とテレビの報道番組で主要な情報をチェック。国内外に限らず、政治経済に関する情報は全てどこかでリンクしているので、マクロ的な視野で確認。

質問者の写真

えー!?
 

いや「俺のスケジュールだ!」と言われたら反論できないんですけど。

質問者の写真

テレビのニュースはともかく、新聞とってる職員なんていないんじゃない?
 
解答者の写真
本庁でも局でも全紙揃ってるからね
でも、家族いればとってるんじゃないの?
 

なんか意識高げなのがイラッとしたのでケチつけてみました。

単身者ですと、新聞屋さんから何かのオマケをつけてもらえる以外の理由で新聞とってる人見た事ありません。
スマホでニュースチェックが主流の現在では尚更じゃないでしょうか。

もちろん私も在職中、新聞とったことありません。
朝はジャンプやマガジン、夕方は日刊ゲンダイや東スポ。
実態はそんなものです。

ただし、

解答者の写真
公安庁を志望するなら学生の間は新聞をとった方がいいと思います
 

どんな記事も一通り目を通しますし、扱いの大きさなどから重要度を測れますので。
ネットだけだと自分の読みたい記事だけ読んでしまい、視野が偏ってしまう危険性があります。

質問者の写真

読む新聞は産経以外ならどこでもいいよ
 

産経を外すのは、治安機関にとってはポルノがごとくの新聞だから。
公安庁でも産経は切り抜き対象から除外していました(キリがないので)。
他官庁も視野に入れるなら日経が無難です。

8:00 登庁
登庁後に同僚などとの雑談でニュースなどの情報交換。また、前日までに部下が収集した情報を班内で共有。

質問者の写真

えー!?
 

いえ、別にケチつけてもしかたないんですけど

質問者の写真

同僚と仕事絡みで情報交換なんてすることないよ……
ニュースはニュースでも芸能ニュースの間違いじゃないの?
 
解答者の写真
仕事については区分の原則あるからね……
パンフだから意識高く書かなくちゃってところだろうけど
 

本庁から調査指示が来たなどで共通の業務目標に向けて動いてるときくらい?

もちろん情報交換自体は必要であればします。
ですが始業時間前からというのはありません。
みんなオンオフをきっちり切り替えますので。

逆に、朝のたわいもない雑談が仕事に役立ちます。
調査官なんて人と会う商売なのですから話題豊富でなんぼ。
趣味や関心を広げておけば、その分だけ付き合える対象も広がります。

質問者の写真

というか、8時!?
早番しか来てなくない?
 
解答者の写真
パンフ読んだ感じだと、今はフレックスタイムあるんじゃない?
 

8:30 始業
部下が予定している本日の面談に向け上司を交えた会議を開催して方針を確認。その後、自身の面談についても上司と協議。

質問者の写真

えー、始業が8時30分!?
しかもこの時間にみんな来てるの?
 

始業って9時30分だったはずだけど
制度変わったのかしら……

あと、面談って、マルセツじゃなく普通の面談?
(マルセツ=スパイ工作において対象者と会うこと)

質問者の写真

だったら事前に打ち合わせなんてしないと思う……
というか、聞くことが最初にあるから面談しに行くわけだし
 

 

解答者の写真

でも、もし本当にやってるならいいことじゃない?
仕事の均質化を図る観点からは重要よ

 

11:00 面談
部下の面談に同行し、有益な情報を入手。本庁に報告するため報告書の作成を部下に指示。

これは、まさに指導の光景。
ちゃんと新人の面倒見てくれる上司ですと、有益な報告書が作れそうな面談を行う場合は同行してくれます。
一緒に聞いて、部下の報告書の足りないポイントを指摘するためです。

部下の指導というケースでなくとも、二人で面談に赴くことは割とあります。
一人より二人で聞く方が確実ですから。

12:00 昼食
職場方面に戻りつつ部下と一緒に昼食。

質問者の写真

上司に奢ってもらえること、かなり多いよ
 
解答者の写真
付け加えると、現場はお弁当派より外食派の方が圧倒的に多いわね
 

まず、仕事が不規則で読めないのがあります。
ランチがストレス発散がわりになってるのもあります。
ランチ自体が基調、つまり仕事の一部だったりする場合もあります。

13:30 本庁からの調査指示
本庁から「〇月×日まで△に関する情報を送ってほしい」との依頼を受け、上司に報告した後、班内で協議して仕事を分担。

本庁からの調査指示自体はよくある光景です……が。

質問者の写真

みんなでやるような調査指示なら、首席に電話しない?
 
解答者の写真
個人に調査指示出す場合って、基本はその調査官の持ってる客の存在が前提だからね
区分の原則あるから手伝いようがないし
 

こんな細かいところケチつけてもしかたないんですけど。

本庁からの調査指示は何よりも優先されます。
「○日まで~」とか書いてますが、大体は「今日中」とか「明日まで」。
組んでいた仕事の予定が一気に変わったりすることもあります。
ただし評価に繋がるので、割と無理してでも対応します。

逆にそれゆえ本庁では、

解答者の写真
迂闊な調査指示は出すなよ、現場は構えてしまうから
 

と指導されます。

残りは書いてある通りです。
ただ……

質問者の写真

現場仕事に形なんてないよ
 

これはあくまで一例。

解答者の写真
どんな仕事をするか、どんな予定を立てるか、どんな人と会ってどんな情報を仕入れるか
公安庁では下っ端であろうと、全て自分で決めます
 

よっぽど的外れなことをやらない限り、注意されることはありません。

しかも、

質問者の写真

相手あっての商売だから、勤務時間はめちゃくちゃになるよ
 

有望な対象者見つかるまでは自主的に残業してでも基調を重ねますし。
本格的な工作に入ったら入ったで夜中に仕事終わるのもざら。
ずっとそんなペースで働くと心や体を壊すので、適度に息を抜く日も作ります。
そういった管理は全て自分で行います。

なお、

質問者の写真

割り切ったら、年中仕事しないで遊び暮らすこともできるよ
 

外へ一旦出てしまえば誰も見てませんので。

右側の2人

書いてる通りです。
私からは何も付け加えることありません。

7枚目

Q. 仕事とプライベートの両立は実現できていますか?

質問者の写真

間違いなくグラフ通りだよ
 

あえて言うなら、プライベートで身分を明かせない。
その意味で両立できないかなってくらいです。

本庁・現場ともに精神的に若くて多趣味な人が多いです。
特に現場の場合、

● プライベートが充実したことによって、「会話の引き出し」が多彩になり、面談相手との話が弾む

本当にそうです。
プライベートはとことん遊んでください。

Q. アフターファイブや休日は、どのように過ごしていますか?

質問者の写真

ここはもう、人それぞれだよね
 

あえて言うなら、基本的に同僚との付き合いが多くなります。
一般人相手だと友人でも気軽に話せなくなるので。

ワークライフバランスについて職員に聞きました。

書かれているのは、多分全て本当です。
「多分」というのは、私の頃には看護休暇とか介護休暇とかなかったので。
恐らく公安庁というより霞が関の制度なのでしょうが。

その上で、どうして「本当」と言い切れるか。
ワークライフバランスの概念が生まれたのは2007年ですが、

質問者の写真

公安庁では、そのずっと昔から、ワークライフバランスの実現を目指してきてるよ
 
解答者の写真
業務内容が特殊ゆえ職員のメンタルに掛かる負担が大きいためです
 

人事院によると「公安調査庁職員の平均寿命は他官庁より10年短い」という調査結果が出ています。
人事課の職員は次の通り説明していました。

解答者の写真
退職すると在職中にかかっていた強大なストレスから解放され、気が抜けてぽっくりいくんじゃないかな?
 

バーンアウト症候群に近いものはありますが、公安庁の場合は少々事情が異なります。

常に敵から防衛で、気を張り詰めた状態がずっと続きます(普段意識することはありませんが)
やってることも「人を騙す、脅す、誘惑する」、汚れ仕事そのものですから。

パンフによると現在は制度としてフレックスタイムが設けられているようですが。
昔は、現場においては、「自主的フレックスタイム」が認められていました。

解答者の写真
例えばマルセツや連絡が深夜に及んだ場合、翌日は暗黙の了解で午後出勤を許してもらえます
 

(連絡:既に協力者登録を終えた客との面談)

入手した情報が急ぎでなければ、ですが。
それならそれで、報告書を出した後に、適当な用事を作って外回り。
実際は家に帰って寝ちゃいます。
薄々は周囲も察しますが、追及されることはありません。

スパイ稼業は体以上に心の壊れやすい仕事です。

質問者の写真

「自分の管理は自分でやれ」と口を酸っぱくして言われるよ
 
解答者の写真
この言葉は「自己責任の押しつけ」や「管理者の責任逃れ」ではありません
文字通り「無理をするな」という意味で使われています
 

 

質問者の写真

自分のことは自分が一番わかるはずだもんね
 

上司達も明らかにわかるなら、病院へ行くように、仕事を減らすように、休暇をとるように声を掛けてきます。
でも細かいところまで目を配れませんし、わかりませんので。

● 年次休暇を年 2 0 日取得し家族サービスをしています。掃除など家事はもちろん、買い物や食事に出かけて家族の絆を深めています。

解答者の写真
年20日というのは、有休を取得できる事実上のMAXです
 

質問者の写真

40日あるけど、20日は繰り越せるからね
いざというときのために40日状態はキープしておかないと
20日MAXは全官庁共通です。

公安庁では「有休をとるのは職員の当然の権利」として根付いています。
宿直当番その他緊急事態などでなければ、原則認められます。
また、宿日直当番や休日出勤の場合は、その分の代休がもらえます。
(8枚目の会話内でも記されています)

 

解答者の写真
これが普通であり、そうでなくてはならないはずなんですけどね
 

やっぱり仕事との兼ね合いがありますので、まとめて消化をする場合は時期を選びます。
具体的には夏休み扱いの7月・8月、あるいは人事異動で仕事が動かない3月に消化します。

ただし、

質問者の写真

部屋に留守番を一人は置かないといけないから、そういった理由で有休認められないことはあるよ
 

介護休暇を取得し、毎月一度は帰省しています。ここまで育ててくれた両親への恩返しという思いも込めて。

今って年休使わず帰省できるんです?
もしそうなら、なんて羨ましい。

介護ということで補足します。

解答者の写真
たとえキャリアであっても、親の介護が必要な場合は地元局・事務所への配属をしてくれます
 

ノンキャリアはもちろんです。
ただし当然のことながら、実家が公安庁の地方支局にある場合に限られますが。

 

解答者の写真
条件は、当該期間のキャリア資格停止です
 

ある意味ではワガママを通すわけですし、キャリアは本来そんな人事を念頭に置いて採用していないのですからしかたありません。

 

 

質問者の写真

著者が退職した理由は介護だよ
 

辞める年は色々あったので誰も信じませんでしたけど。
半分は間違いなく本当に本当です。

私が本庁人事課長に辞表を出したとき、先の条件&中国局への転勤を提案されました。
断りましたが、心は揺らぎました。
もう半分の理由がなければ受けていたでしょう。

制度としては本当に可能だそうです。
もし自分しか介護できる人間がいない状況に直面することがあったら、人事に相談してみてください。

もっともキャリア資格停止といっても、キャリアの友人曰く。

質問者の写真

実際には昇級止めないだろうし、止めたとしてもどこかで追いつかせたんじゃない?
うちの人事のことだし
 

つまり結局は停止させないも同然ということ。
確かにありうるかなとは思います。
そもそも同じ級に最低2年はいますから、その間に問題が解決できればいい話ですし。

その上で。

質問者の写真

どこであっても就職したあとの話だけど……
介護だけが理由なら、絶対辞めちゃダメだよ!
 

安定した収入がある。
相談できる先がある。
この2つだけで、どれだけ楽になるか。
公安庁を辞めたことは欠片も後悔していませんが、この点において公務員の職を手放したことは後悔しました。

人事課はもちろんですが、介護しながら働いている職員もいます。
いきなり介護に飛び込んでも、右も左もわからず狼狽えるばかりです。

解答者の写真
介護倒れしないよう、周囲を味方につけてください
 

 

私は母一人子一人の母子家庭育ち。
採用面接で聞かれたこと。

解答者の写真
もしお母さんが倒れたらどうする?
 

質問者の写真

施設でも何でも入ってもらいます
キャリアとして入庁する以上、私は仕事を優先します
 

しかし、いざ直面してみると、やはり育ててくれた母を見捨てることはできませんでした。
もう半分の理由がなければ、キャリア資格を捨ててでも中国局へ行ったと思います。

もし私と同じ家庭環境の人がどこの省庁であれキャリアを志望するなら。
その点までよく考えて決めてください。

介護を持ち出した私に配慮は見せてくれた。
その点において、私は公安庁を評価していますし感謝しています。

補足 セクハラ・パワハラ対策

質問者の写真

公安庁総務部には「目安箱」と呼ばれるシステムがあるよ
 

正式なシステムかは知りませんが。
内部不正の告発からパワハラ・モラハラに至るまで受け付けています。
そして、事実だった場合はきっちり処分します。

解答者の写真
特にパワハラ・モラハラにいたっては、局長ですら処分されました
 

懲戒を受けたかまでは知りませんが。
本庁2部長・総務部長といったプロパートップの座が当確視されていたにもかかわらず、棒に振りました。

右側

また女性が活躍できる職場環境の整備とともに、女性の採用拡大と優れたマネジメント能力を発揮する女性職員の上位ポストへの登用も推進しています。

質問者の写真

へー……
 

私の知る公安庁ですと、それしか言葉が出ません。
安倍政権における女性登用推進で変わってきているというのは聞くのですが。
私の時代はよくも悪くも女性は対等に扱われていませんでした(2000年前後くらい)。
詳しくは差し控えますが。

まあ、私が退職してから15年経ってますし。
変わったのだろうということにしておきます。
内部からも一応はそう聞いてますから。

8枚目

そのまま読んでいただければいいのですが、いくつか。

企画調整室

質問者の写真

本流歩んでるねえ
 

そういう部署です。
どんな仕事しているかは官庁訪問で聞いてください。

「本庁vs現場」といったこともなく、

質問者の写真

よく言った!
 

特に本庁と関東局の仲は最悪。
本庁は関東局を信じていませんし、関東局は本庁を信じていません。
関東局は「自分達こそが公安庁」くらいのプライドを持っています。

もちろんパンフに書けるわけないのですが。
もし本音で上のセリフを口にしているなら、まだ公安庁のイヤなところ見ていないんだろうなあと……。
無縁のまま職員人生終えられるのなら、それに越したことはないですけどね。

。庁内にはサークル活動もあり、確か、剣道部は団体戦で優勝するほどの強豪とか。華道部などの文化系サークルも活動していて、庁内で作品展を開催することもあります。

本当に盛んです。
私の時代は女性職員のほとんどが華道部に入っていました。
剣道のほかですと、野球部も盛んです。

あと、サークルというわけじゃありませんが……私の頃は麻雀好きが多かったです。
世代差があるので今はどうかわかりませんけど。
お酒つきあうかわりに麻雀でつきあうのが通るくらいには流行っていました。

私は、若手の皆さんには「相手に敬意を持つこと」を大切にしてもらいたいと思っています。

質問者の写真

その通りだよ
 

とだけ述べておきます。
もし入庁したなら、いずれ心から実感することがあるでしょう。

9枚目

試験区分などに関係なく人物本位で採用

質問者の写真

ガチだよ
 

本当にあらゆるタイプを採用します。
学歴についてはこちらの記事を。

ただし、あえて言うなら、

解答者の写真
いかにもキャリアっぽいタイプの人物は敬遠されます
 

上に検事がいるため、割り切って二番手に甘んじられる人じゃないとダメということです。
また、キャリアとノンキャリアの距離が非常に近い役所ゆえ、高慢ですと軋轢を生みがちですから。
人事課から聞いた話です。

実際には最近そういうタイプの若手キャリアも増えてきているそうですが。
果たしてどうなることやら。

質問者の写真

で、具体的にはどんな人を求めてるの?
 
解答者の写真
キャリアもノンキャリアも「普通の人」かな?
 

普通という枠の中で色んなタイプを採り、全体のバランスをとっています。

解答者の写真
重視されるのはキャリア・ノンキャリアともにコミュ力です
 

コミュ力というのは決して「饒舌」という意味ではありません。
「陽キャ」にも限りません。
朴訥で言葉少なながらも誠実な印象を与える。
これもまた一つのコミュ力といえます。

コミュ力は人によって千差万別です。
大事なのは己のキャラを知り、己のキャラを活かすこと。
人見知りで他人と話すこともできないといったレベルならさておき、無理に変わる必要はありません。
自らの個性に合ったコミュ力を鍛え上げて下さい。

確実にプロへと導く育成ポリシー

質問者の写真

知識・技能・資格は必要ないって書いてるけど、語学はやっておいた方がいいよ
 
解答者の写真
少なくとも英語ね
研修行かせてもらえるとしても入庁してから数年後の話だし
特に調査第二部(海外担当)を希望するならやっておくこと!
 

採用においては必要じゃありません。
しかし「不要」だからといって「加点材料にならない」わけじゃありません。
その点は混同しないでください。
やるかやらないかはあなたの自由です。

なお、ハングル語については、話せるレベルまで鍛え上げていれば、ノンキャリアだと大幅な加点材料になると思います。

質問者の写真

著者はやらなかったよ
他人に厳しくて自分に甘い人だから
 

ただ語学ができれば、かつ資格をとっていれば。
どこの官庁を志望するにしても加点ポイントになります。
やっておいて損はありません。

もう一つ。

質問者の写真

タッチタイピング(ブラインドタッチ)は入庁前にマスターしておいた方がいいかも
 

採用にプラスとなるかどうかの問題ではないく。
作成する文書の量が本庁・現場とも半端なく、タッチタイピングできないと地獄見ます。
特に現場は報告に速報性が求められる場合があるので。

一方で、

質問者の写真

業務内容についての「知識」は本当にいらない
回展くらいは読んでおいた方が面接で困らないと思うけど
 
解答者の写真
むしろ半端な知識は邪魔です
変なクセがついてしまいますので
 

私は採用時、中核や革マルという言葉すら知りませんでした。
私の母校は慶應。
そういうのに縁遠い学校でしたので(いるにはいると公安庁に入ってから知りましたが)。

市販の治安関連本に書いてそうなことをそのまま答えようものなら、間違いなくネチネチ突っ込まれます。
もちろん市販本を参考にすることは構いません。
でも論点については自分の考え・自分の言葉で述べる様にしてください。
学生レベルで自然と持ち合わせた知識を噛み砕き、活きたものにできるかが鍵です。

格好つける必要はありません。

解答者の写真
知らないことは「知らない」と認めましょう
そして職員に質問して教えてもらいましょう
 

質問者の写真

一般人は公安調査庁や調査対象のことを知らなくて当たり前だもんね
「知らない」と認めることは決して恥ずかしくないよ
 

むしろ、面接をスムーズに進めるテクニックとすらいえます。
話をどう聞き出すかが公安調査官のお仕事なのですから。

この辺りの話についてはこちらを。
私が面接したときの再現です(極端に悪い例ですが)。

おまけ 今年の本庁人事課長

質問者の写真

公安庁で数少ない「マルコウができるキャリア」だよ
「マルコウが三度のごはんより好き」と公言してて、自分から志願して地方支局へ出てたくらい
 
解答者の写真
主に一部(国内)が専門
キャリアの中でも、かなり特殊なルートを歩んできた方です
 

「マルコウ」はスパイ工作の隠語です。

真の意味で本庁と現場の両方を知るキャリアはこの方しかいないと言ってもいいくらい。
新人時代に登録し、再び現場に出たときは指導した部下が獲得しています。
拙作キノスパの「マルコウができるキャリア」は、まさに現人事課長がテーマ。
私が辞めたときの人事課長からは「彼に続く人材を育てたい」と聞いたものでした。

実は私、お話したことないのですが。
評判としては、頭の柔らかい遊び人。
(友人がこの方と仲いいので、話はしょっちゅう聞かされていた)。
志望者に対しても、きっと柔軟に評価してくれるでしょう。

右側

公安庁のキーワード。
こうしてわざわざまとめるというのは、どこの役所・企業でも同じですが、強調したいポイントです。
これらワードそれぞれに、自分なりの答えを用意しておくとベターです。

質問者の写真

著者は「先憂後楽」なんて、このパンフ見て初めて知ったらしいけどね~
 
解答者の写真
……言っちゃだめ
 

最後

書いてあるそのままです。

質問者の写真

ちゃんと伝わってるんじゃないかな?
 
解答者の写真
内部にいた著者も読んで納得してるみたいだからね
 

キャリア志望者の方への補足 ~公安調査庁をオススメしない点・する点

ここまで記さなかったポイントについて補足します。

オススメしない点

検事の植民地

公安調査庁は法務省の外局。
そして法務省は検事・裁判官の法曹が支配する官庁です。
公安調査庁もその例外ではありません。

解答者の写真
トップはじめ要職は検事、いわゆる植民地官庁です
 

 

他官庁みたいにキャリアが尊大に振る舞うことはできないし許されないものとお考え下さい。

当然、出世にも限界があります。
現在のプロパートップは総務部長の横尾さん。
(Twitterでも拡散されてますし、実名で書いて構わないでしょう)
しかし総務部長は検事とプロパーで代わる代わる就いており、今後どうなるかは不明です。

ただ、

質問者の写真

数年前の時点において、総務部長はしばらくプロパーに戻らないと言われてたんだよ
 

当時のキャリアのリーダーはSさんとNさん。
Sさんは次長が当確視されてましたし、Nさんもまた同格の扱いでした。
二人ともキャリア・ノンキャリアを問わず人望があり、キャリアの中ではズバ抜けた存在でした。

しかしSさんは総務部長、Nさんは調査第二部長どまりで終わってしまいます。

解答者の写真
自分はともかくSさんは次長になると思ったんだけどね
だんだん雲行きが怪しくなって……結局、検事さんの機嫌次第だから
 

Nさんが退官する年、本庁に赴いて直接聞いた話です。

しかし横尾さんが総務部長に就きました。
いい方向で予測が狂った形です。

横尾さんには非常に失礼なことを書いています。
ですが、読んだとしても怒らないでしょう。
SさんとNさんは、それくらいに別格の存在でしたので。

総務部長の件をさておくとしても。
私の頃は検事ポストだった本庁1-1課長や関東局長など、プロパーへポストが徐々に譲られています。
本省の留学枠も譲ってもらえたとか。
底は抜けた状態ですので、さほど悲観することもないと思います。

天下りがない

何の利権もありませんので。
再就職先は自力で探します。
私の知っている例ですと大学教授とかですね。

昇進ペースが遅い

ちょうど今年、私の同期達が課長級になったばかり。
私は1997年入庁ですから23年といったところ。
他省庁よりはやや遅めです。
現在ではキャリアの採用枠が増えていますから、さらに遅くなるでしょう。

ただし他官庁も定年まで勤めることが多くなり、同様に昇進ペースは遅れています。

オススメする点

ある程度までの出世が保証されている

質問者の写真

ゴールは指定職までほぼ保証されてるよ
 

指定職とは審議官級(地方支局だと局長)以上のポスト。
わかりづらければ「上級国民」で結構です。
上級国民もピンキリですが、キリの方にはまずなれます。

安定という観点からいえば、指定職になれないとキャリアの意味はありません。
他官庁だと保証されているのは課長までで、その前に選別される可能性もあります。
(実際には、ほとんどが指定職になりますが)

定年まで勤めたキャリアで指定職になれなかったのは、私の知る限り一人だけ。
割り切れるなら、それなりにはキャリア気分を味わえます。

キャリア間の競争がほとんどなく、ゆるゆるしている

課長以降、本庁に残れるか。
総務部長や2部長になれるか。
そのレベルでの競争はあります。
私が退職した頃に比べると比較にならないくらい競争が激しくなっています。

しかしぶっちゃけた話として、ゴールはさほど変わりません。
むしろ地方の方が「検事いないから気楽」という人もいます。

加えて、もともと野心のない人が多いです。
他官庁みたいにキャリア同士でギスギスすることもありません。
まったりほっこり働きたい方には向いていると思います。

ただ、もし今後、長官や次長ポストも譲られることになるなら。
競争が激化するのは確実ですので雰囲気も変わっていくのかもしれません。

面接対策

本項からは面接対策について記します。
キャリアもノンキャリアも共通。
あまり堅苦しく構えず、気楽にお読み下さい。

INTELLIGENCE SKILLS CHALLENGE

公安調査庁が出しているゲーム。

実はこのゲームが公安調査庁の面接対策の鍵となります。

Mission1は、公安調査庁が求めている能力そのまま。面接でもこれらの点を重視しています。自分にあてはまった箇所を強調する形でPRを組み立てるといいです。
Mission2は、どうでもいいです。

志望動機

基本的に霞ヶ関全体が志望動機を重要視していません。

解答者の写真
大事なのは「マイナス点」を喰らわないことです
事なかれと言われるように、官公庁は減点主義ですので
 

具体的には、できるだけ素朴な所から組み立てるといいでしょう。
例えば

解答者の写真
どうして公安庁を志望したの?
 

質問者の写真

ISILの処刑画像を見て痛ましいと思いました
国民が二度とあんな目に遭わないように働きたいと考え、公安庁を志望しました
 

とかでいいです。

基本的に志望動機で突っ込まれることはありません。
ただ、常識的に反論がかえってきそうな部分は答えを用意しておくこと。
上の例なら「自己責任論ってあるよね?」とか。
もちろん話のタネになるような志望動機が思いつければベストです。

間違っても、こんなことを口にしてはいけません。

解答者の写真
どうして公安庁を志望したの?
 

質問者の写真

キャリアでも定時に上がれると、先に入庁している友人に聞いたからです
私、過労死したくありませんし
就職してからもパチスロ打ち続けられますから
 

私なんですけどね。
いくらパンフレットで「ワークライフバランス」を強調していても、常識というものがあります。
くれぐれも言葉は慎んでください。

「それでも採用されてるじゃないか?」との問いには「そうですね」とだけ。
公安庁って器大きいですよね。

恐らくどこかの段階で問われるであろう質問は、

解答者の写真
どうして警察庁じゃなくて公安調査庁なの?
 

質問者の写真

警察庁はポリスで、公安調査庁はインテリジェンスだからです
 

とか、もっともらしく且つ堂々と答えられればいいです。
あとは適当に志望動機へ繋げてください。
この解答例について具体的なところは、各自で勉強してください。

見ているのは内容ではなく、あくまでも答え方。
窓口の段階であれば、いっそ「わからないので教えて下さい」と聞いちゃうのも手です。

注意すべき点として、

解答者の写真
極右的表現や発言は絶対に慎んで下さい
「○ナ」とか「チ○ン」とかヘイトとされる差別的用語なんて論外です。
 

「○ナは差別用語じゃない!」と反論される方。
今すぐブラバしてください。
私はその手の議論に付き合うつもりありませんので。

世間では知らない・理解していない人が多いですが、極右も公安調査庁の調査対象です。
過度の保守思想は思想面に難ありとみなされます。
人事課曰く

解答者の写真
むしろ左くらいでちょうどいい
 

入庁したら右傾化するからです。
特に分析では中立的・客観的な視点が必要ですから。

趣味・特技

質問者の写真

趣味・特技は最重要項目だよ
 

当たり障りなく一番会話をはずませやすい項目なので。
面接本ですと、うまく自己PRに繋げることがセオリーとされます。
もちろんそれでもいいのですが……。

解答者の写真
面接官を楽しませることを第一に考えてください
 

その方が上手くいくと思います。
面接官が見ているのは内容よりも会話能力の方ですので。
ウケを取れとかネタに走れという意味ではありませんので、念のため。

その他

解答者の写真
公安調査庁の人事は伝統的に志望者本位の採用活動を心掛けています
 

一番大きな理由は「人に会う仕事だから」。
今回のパンフもそうですが、選ぶ側であると同時に選ばれる側であるという意識を常に持っています。
圧迫面接などはまずないはず。
学生がリラックスして自分を出せる様に配慮してくれます。

しかし一方でそれは罠でもあります。
見てない様で逐一観察してますし、話したことは覚えてます。
後の面接でそれについて聞かれることもあります。
くれぐれも気を抜かない様に。

公安調査庁を志望するにあたっての、その他注意事項

本項目ではその他の注意事項を記します。
本記事は、志望者や興味ある方から多数のメールやコメントをいただいております。
その中で私が考えたことです。

御質問されるのは構いません。
話せる範囲とはなりますが、答えるのもやぶさかではありません。

ただ、一言だけ。

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あまり考えすぎないようにね
 

不安点やわからないことは、率直に役所へ聞いてみる

まず不安という意味で考えすぎる場合

不安なのはわかります。
でも受ける前から考えすぎてもムダです。
ここに書かれていることも「天満川鈴」が言っていることにすぎません。
あくまで私の経験した範囲内で過去について述べているにすぎません。
気休めにはなっても答えにはなりません。

特に身辺調査。
心配するよりも、身辺調査されても平気な生活を心掛けてください。

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公安調査庁の人事はストレートに聞いても、基本的に大丈夫です
 

わからないことは、私よりも役所に直接聞く方が確実です。
聞きづらい気持ちは理解できますけど、それができないなら公安調査官は務まりません。
情報を聞き出すのが仕事なのですから。

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答えられないことは「答えられない」と返されるか、「さあ?」ととぼけてくれます
 

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もっと気楽に!
 

入る前から現実を考えすぎる必要は無い

期待という意味でも同じです。
「入ったらこうなのかなあ?」とか「ああなのかなあ?」とか。
夢を張り巡らせたくなる気持ちはわかります。

私もそうでした。
入庁前に同期のキャリアから勧められたのが麻生幾「情報、官邸に達せず」。

「公安調査庁って、思ったよりすごいところ?」、もうワクテカで読みふけりました。
内定した後に読んでどうする、って感じですけど。

入庁後は、現実を見て色々と幻滅します。
でも夢見るのは志望者の特権、入るまでは存分に妄想しちゃってください。

本著は今だと内容が古くなっています。
それでも治安系官庁を目指すなら読んでいただきたい本です。

ちなみに、この本に出てくるイスラエルから情報を送り続けた人は、私の初めての上司。
詳しくはこちらの記事をお読みください。

志望するにあたって注意したいこと

暴露本は読まない

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暴露本──特に悪意をもって書かれたものは、採用されたいなら読まないでください
 

これはどこの官庁についても言えることです。

内定前ですと、要らぬ事を面接で口走ってしまう可能性があります。
入庁前ですと、真偽を確かめようがないので思い切り幻滅してしまいます。
入庁後ですと、いつの間にかゴシップ話は全部知っちゃってますから読むまでもありません。

極端な思想の集団に引き摺られない

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SNSの政治クラスタには近づかない方が賢明です
 

右であろうと左であろうと。
特にTwitterについては、以下の対応を推奨します。

  • アカウントに鍵をかける
  • リツイートする際にはソースを確認する

あとは、

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極端なまとめサイト、ネットニュースの類も見ないこと!
 

特に保守系については鵜呑みにしないでください。
最悪の場合、就活どころか人生を棒に振ります。
くれぐれも御注意ください。

なお、リベラルポルノと呼ぶべきリテラは、わかって読むなら面白いメディアです。
前身となる「噂の眞相」は公安庁で講読している雑誌の中でも一番人気でした。
しかし何も知らないで読むと毒の方が大きいので絶対に勧めません。
私が時々シェアしているので、あえて名指しで断っておきます。

まとめ

書き終えてみたらリライト前の倍の分量になっていました。
本当はもっと色々と書きたいことがあったのですが……書けないのは秘密という問題だけではありません。

公安庁にとっては右も左も敵。
おかげで私はとらわれることなく自由気ままに振る舞っています。
ADHDは束縛やしがらみが大嫌いゆえ自らの経歴にとても助けられています。

しかし何かを本格的に論じるとなったら話が別。
逆に経歴がゆえ、迂闊な発言をすれば左右のいずれかを刺激する可能性があります。
本意に沿わない形で発言を利用される可能性もあります。

私の現在の職業はあくまでもパチンコ店のヒラ店員。
既に公安調査庁キャリアではありませんし、言論や評論を業としているわけでもありません。
バカ臭いとしか思っていないイデオロギー対立に巻き込まれるのは御免被ります。

私がなりたいのは、あくまでも小説家。
本記事を契機として週刊誌報道され。
おかげでキノスパの出版にこそ至らなかったものの、版元へのツテはいくつかできました。
公安庁モノの次作については、できれば書籍として皆様へお届けしたい。
そう願いつつ、現在鋭意執筆中です。

色々書きましたが、一言でまとめさせていただきます。

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気に入られれば勝ち!
 

皆様の健闘を祈ります。

私の小説

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公安庁に興味あるのでしたら、お読みいただけると嬉しいです
 

この記事を書いた人:天満川鈴

広島市内のパチンコホール勤務。
3号機時代からのパチンカス。

ADHD、精神障害者手帳3級所持。

慶應義塾大学商学部→国家一種経済職→公安調査庁。
在職時は国際テロ、北朝鮮を担当。

「小説家になろう」の底辺作者。
朝鮮総聯へのスパイ工作を描いた小説「キノコ煮込みに秘密のスパイスを」はアマチュア小説ながら週刊誌報道され、話題となった。

Posted by 天満川鈴