【就活】私の国家一種人事院面接(現総合職人物試験)失敗記、だが反省も後悔もしない

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2017-03-01日記・雑記

国家公務員志望の皆様、いかがお過ごしでしょうか?
総合職であれば追い込み、一般職であればスタートを切り始める頃だと思います。

本記事は私の国家公務員一種採用試験(現総合職)失敗体験記、具体的には人事院面接失敗記となります。
(知らない方へ。国家一種試験とはキャリア官僚になるための資格試験です)
人事院面接は現総合職試験の「人物試験」のことです。
本サイトの訪問者は官庁志望の学生が多いので記してみました。

ただし、私みたいなケースはまずないと思います
また現在では制度も違いますし、時代も違います。
事実ではありますが、ネタとして読み流していただければ。

役所の幹部達の間では国家一種トップ合格したことになっていた

私は国家一種経済職、合格順位はちょうど真ん中くらいです。
しかし私の勤めていた公安調査庁(以下、公安庁)上層部の間では、なぜかトップで合格したことになっていました

在職当時、私を一番かわいがってくれた幹部が泥酔して言った台詞。

お前が国家一種トップ合格だとか、そんなのどうでもいい。
俺は人としてお前がかわいいんだ。

泣けてくるほど嬉しい言葉でした。
しかし、一方で思う。

本当にそういうことになってたんだ……

さて、どういうことでしょうか?

前項の真相

実は、私の採用された国家一種資格は「前年度合格」のものです

私は合格年次、情報の無さから官庁訪問を失敗してしまいました。
仕方なく翌年、再チャレンジします。

これは国家一種も含めての再挑戦。
国家一種の資格自体は3年間有効なのですが、再挑戦の場合、実際に採用してもらうためには最低でも一次を合格し直す必要がありましたので。
(恐らくまぐれ合格を排除するため、現在も同じ方針なら最終合格までし直す必要があるでしょう)
そして無事に一次合格し、公安庁に採用されます。

当時は国家一種一次試験(選択式筆記試験)合格発表直後に内々定が出されていました。
当然受験生に一次試験の順位はわからないわけですが、役所からトップであることを伝えられます。
(トップクラスという意味かもしれませんが自己採点上はぶっちぎりでした)
そして人事課は喜んでいました。

解答者の写真
久々に公安庁から法務省の入省者代表を出せる!
(法務省は局別採用)

私自身も自信満々でした……が、最終不合格
幸いに内定は取り消されず、前年の資格で採用してもらえました。
(真偽は定かではありませんが、官庁によっては内定を取り消されたという噂を聞いたことがあります)
しかし人事課から告げられます。

お願いだ。
幹部の前では落ちたことを言わないでくれ。

もう既に、幹部に「国家一種トップ合格者が来る」と広めてしまっていたらしいので。
これが「公安庁幹部の間ではトップ合格」の真相です。

当時の国家一種だと一次の順位はほぼイコール最終順位、私が二次落ちすることはまずありえない事態でした。
それなのにどうして落ちたか?
人事院面接で最低評価をつけられたからです。
この場合、どんなに筆記がよくても問答無用で不合格にされます。

当時の人事院面接 ~基本的に落とされることのない試験

当時の人事院面接は、基本的に落とされることのない試験でした
質問も当たり前の質問を当たり前に返せばいいだけ。

落ちるケースとされていたのは、

  • 人前で一言も話せないコミュ障
    (それですら合格しています)
  • 「私は神である」などと一目でわかるくらいの問題発言する人
    (口にするキャリア自体はいますが、さすがに人事院面接では言わないと思います)

現在の人物試験よりは落とされる人数も評価も甘いです。
しかも私は前年度合格しています(つまり人事院面接も一度はパスしています)。
それなのにどうして落ちてしまったか?
以下に、面接を再現します。

人事院面接再現

私   「失礼します」

入室すると面接官は3人、全員各省庁の人事課長です。

面接官A「あなたはどうして公務員になりたいと思ったのですか?」
私   「(国民に尽くすとか、いかにもありがちな答え)」

型どおりの質問を終えます。
こちらも答えを用意しているので、この辺りはお約束。
昨年パスしているし流れは知ってる。
あとは適当に雑談して終わり……と思いきや、ちょっと意外な質問が。

面接官B  「日本経済の問題を3つ挙げてくれ」

人事院面接でこんなこと聞くんだ。
どっかの経済官庁かな?
こういうときは慌てないように、まず間を置くことにしてます。

私   「少しだけ考える時間をいただけますか?」
面接官B「どうぞ」

受け答えの間に3つ思い浮かべ、「問題点」と「理由」に整理してから再び口を開きます。

私   「『ミクロ、マクロ、資本主義システム根本からの問題』という3つの観点から挙げさせていただきます」
面接官B「続けて」
私   「ミクロ的な観点からは……(略)……です。これは……という理由から、構造上解決しえない問題と考えます。マクロ的な観点からは……(略)……です。これは……という理由から、構造上解決しえない問題と考えます──」

まさか、こんな場で本当に経済の問答をしたいわけじゃあるまい。
面接官に確認します。

私   「──このまま続けて構いませんか?」
面接官B「いや、もういい。君が非常に優秀なエコノミストであることはわかった」
私   「恐れ入ります」

別にエコノミストのつもりはないです。
経済職が一番楽に合格できると思ったから選んだだけですので。
経済そのものには欠片も興味ありません。

面接官B「しかし、変わってるね。第一志望が公安調査庁?」

当時の人事院面接では、内々定の決まっている官庁を第一志望に記すのが倣わしでした。

私   「そうです」
面接官B「どうして経済官庁に行かないんだ? 例えば経済産業省とか内閣府とか」
(※内閣府=旧経済企画庁、「経済白書」を書いています)

あれ? 「行く?」
人事院面接は内定解禁日前。
民間企業と就職協定を結んでいる建前上、「官庁に採用された」という前提で面接してはいけないことになっていました。
これってルール違反では?
ま、いいや。単に「希望」ということで聞いているかもですし。

私   「治安系の仕事に就きたいと考えましたから」
面接官B「私は、君が経済官庁に行くべきと言ってるんだ。もったいないじゃないか」

その暴論なんですか?
褒めてはくれてるけど、あなたに進路決められるいわれはありません。
人事院面接で圧迫面接なんて聞いたこともないから、いちゃもんの理由がわかりません。
どう返すべきか……。

私   「私は『国家と国民を守る』ということは重要であり、かつやりがいのある仕事ではないかと考えています。治安の重要性は経済職どうこう関係なく言えるものではないでしょうか?」
面接官B「君は日本経済を担う仕事が治安よりも劣るというのか」
私   「そうは言っていません。分野が違いすぎるのですから比較のしようがないと考えます。それに近年は治安分野でもエコノミック・インテリジェンスの重要性が高まっており、エコノミストの活躍する場も与えられています」
面接官B「もうはっきり言おう──」

続いたのは、耳を疑う大暴言でした。

面接官B「──なんで、あんな三流官庁に行くんだ!」  

お……お……おま……

固まりました。
内定前提で話してはいけない人事院面接で、さらに内定官庁を侮辱するなんて。
頭の中は戸惑いと怒りが錯綜していました。

面接官Bの大暴言はさらに続きます。

面接官B「公安調査庁なんて霞ヶ関の底辺もいいところじゃないか。君ならどこへでも行けるじゃないか。私は経済産業省か内閣府みたいな君の能力に相応しい官庁へ行けと行ってるんだ」

お前が経済産業省か内閣府の人事課長なのはわかった。
そこまで言うなら褒め殺しじゃなく、本当にエコノミストとして認めてくれたのだろう。
でも内定した官庁侮辱するような人事課長のいる官庁なんて、業務内容以前に行きたくねえよ!
だけど、この場は躱さないといけない。
声を荒げないように歯を食い縛る。

私   「そこまで私を認めていただけることは嬉しく思います。しかし、それは分に過ぎた評価です」
面接官B「そんなことはない」
私   「優秀な学生が大勢集まる霞ヶ関において自らを優秀と称するなど、おこがましいにも程があります。私は自らが経済産業省や内閣府といった一流官庁に見合う人材であるとは考えていません」

面接官が重苦しい声で憤怒を露わにする。

面接官B「君、そこまで言うからには一度くらい経済産業省か内閣府回ったんだろうな?」
私   「いいえ、一度も回ってません」

しまった!

私   「い、いえ……経済産業省や内閣府のような一流官庁なんて、私のような取るに足りない者が訪問しても採用していただけるわけありませんので……」
面接官B「もういい、終わりだ」

迎えた合格発表日、合格発表掲示板に私の番号はありませんでした。
人事院から説明を聞かされた公安庁人事課は電話を切って一言。

あのバカヤロウ……

隣で見ていた友人によると、まさに茫然自失だったそうです。

まとめ

最後は「回ったのですが、感触がよくなかったので止めました」くらいの嘘でかわすべき場面。
私ADHDなもので、咄嗟の嘘が苦手なんですよね……。

ただ後悔はしていません。
絶対に先方が悪い、その大前提がありますので。

財務省に決まった友人も同室だったのですが「日本経済の問題点3つ」を答えたところ、

はっ、その程度なの?(笑)

鼻で笑われたそうです。
こんな面接官に当たった時点で運が悪かったとしか言いようがありません。

内定者にとって採用してくれた官庁は結婚した妻も同然。
それをバカにされて嫌味言い返して落とされるなら上等です。
結局は辞めちゃったわけですが、これも恋愛や結婚と同じ。
後で愛想尽かしたとしても、付き合った時の気持ちまで変わるものじゃありませんから。

ただ皆様は、こんな失敗しないように御注意ください。
私は前年の合格資格があったから泣かずに済んだだけですので。
皆様の健闘を祈ります。