公安調査庁の学歴と処遇 ~採用案内に書かれた「人物本位」を信じてみよう【官庁訪問】

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2017-04-03インテリジェンス・治安

本記事は公安調査庁(以下、公安庁)と学歴についてです。
これについての質問が、本当に多いので……皆様の気持ちはわかりますが^^;

あくまで私の知る範囲の話となります。
ただ聞いている限りでは変わっていないでしょう。
何より公安庁公式ページに「人物本位の採用」と謳ってますし。
もし変わっていたら、私でなく公安調査庁の方を恨んで下さい。

なお、本サイトの記事全てについてですが、公安調査庁は全く関与していないことを断っておきます。
私も小説の宣伝として、話せる範囲のことを紹介しているだけです。
(公安庁の関心が高まるなり名が知れるなりすれば、その分小説が広まりやすくなる)
その点は予め御承知置き下さい。

学歴で採用後の処遇は変わるか?

キャリアならほぼ変わりません。
あえて言うなら、東大だと僅かに優遇してもらえます。
いいポストにつけてもらえたり、いい国に行かせてもらえたり。
ただキャリアは実績を作りづらい。
その分、僅かの差であっても大きいとは言えるかもしれません。

ノンキャリアなら全く変わりません。
特に現場は能力と実績が全てです。
東大でも情報獲れないと能無し扱いされます。
高卒でも情報獲ってくれば英雄扱いされます。

実例として私の同期。
専門学校から国家二種経由で公安庁に入りましたが、2年目で協力者(=スパイ)獲得しました。
その実績をもって本庁へ。
様々なキャリアを積み、現在は押しも押されもせぬ北朝鮮の第一人者として扱われています。
私が退職してからも評判が伝わってくるくらい。
公安庁では仕事ができるかどうか、本当にそれだけです。

学歴が関係ないのは、ここ最近の調査第二部長の学歴でもはっきりわかります。
東洋大→中央大(法学部ではない)→大東文化大(国会質疑によれば)→東北大(だったかな?)

これらの学校の方々には申し訳ありませんが、学歴重視に見えますか?

本庁の分析仕事は入ってからの勉強と経験。総務仕事は交渉能力や根回しなどの人格面。
現場の工作仕事はセンス。
庁内において各分野で評判よかった人は学歴と全く比例していません。

以下はどこの組織でも、あるいはどんな世界でも同じと思いますが……

  • 公安庁では実績がないと耳を貸しませんし相手にしません。
    逆に学歴に自信ある方は、その点を心して志望してください。
  • 入ってから学歴の話をすることなんて、ほとんどありません。
    東大と京大に限れば、珍獣扱いされて色々と裏で噂され続けますが(苦笑)

採用において学歴フィルターはあるか

学歴フィルターとは、採用において一定レベル以下の大学の学生を対象にしないというもの。
履歴書やエントリーシートの時点で、問答無用で落とされます。

公安庁に学歴フィルターはありません。

総合職でも一般職でも同じ。
あえて言えば公務員採用試験に合格できるかどうかがフィルター。
実際に面接官をしたこともある私が断言します(原課訪問としてですが評価はつけている)。

採用において有名大卒は有利か

学歴フィルターは受けることができる大学の最低ライン、つまり「不利にならないかどうか」。
有名大卒の方が「有利かどうか」は別問題です。

総合職について

最近は東大法学部卒の採用が増えていると聞いています。
ただこれは東大法学部卒の公安庁志望者が増えたため。
母数が増えれば採用者が増えるのは当たり前なので、この数字をもって有利とはいえません。

実際に有利かどうかについて。

東大法学部であれば、ある程度有利です。
私の頃はどんなにひどくても原課で落とされることはありませんでした。
これは、

財務省、総務省、人事院、会計検査院などの査定・検査官庁に行かれたら報復されるため

換言すれば「受験生のプライドを満たした落とし方をするため」です。
東大法学部ですと、どこかに採用される可能性が高いので。

しかし、その程度にすぎません。
下で落とされない代わりに上で落とされるだけです。
引っ張られる分、時間を無駄にする点では不利とも言えます。

それでも巻き返せるチャンスがある分、やはり有利です。
下に嫌われても幹部に好かれれば内定もらえますので。
詳細は割愛しますが、私自身が実例。
今でも伝説として庁内で語り継がれてるんじゃないですかね?

人物本位の採用をする理由

潜在能力に賭けた採用をしているためです。

公安調査庁は弱小官庁。
真に優秀と言える東大法のトップクラスはなかなか来てくれません。
だったら受験勉強で頭を使い果たした東大より、遊んできて余力のあるFラン大の方がいいという考えです。

そのため、主に見られるのはコミュ力。

とにかく話して気に入ってもらえるか、それだけです(一般職も同じ)。 

一般職について

旧帝大以上は明らかに有利でした。
私の頃ですと、それだけで内定出していたのではないかと思うくらい。
(そう言いたくなるような人がいた)
現在はわかりませんが……私の頃の世間の風潮は早慶>旧帝大でした。
それですらなのですから、今も有利なのではないかと思います。

一方で早慶は当時ですら高学歴扱いされませんでした。
つまり有利には働きません。
ただし早稲田については別の意味でわずかに有利だとは言われています(次項で説明)。

多い大学・少ない大学

公安庁に多い大学

早稲田と中央が圧倒的に多いです。
もう石を投げれば当たる、そのレベルで。
検事、キャリア、ノンキャリアの全てにわたって。

面接ではこれら大学出身者と当たる可能性が大。
同じ大学である分会話を弾ませやすいですし、OBも上に上げたくなるのが人情。
その分、この二つの大学であれば有利とは庁内でも言われていました。

ノンキャリアに限定すると、東海大学や近畿大学などが目立ちます。
これはハングル語学科。当然、採用にも有利です(学歴というよりも特技という点で)。

公安庁に少ない大学(今は知らない)

私は慶應ですが、上にはキャリアで一人。ノンキャリアは見たことありません。
(いるにはいる、とは聞いてます)
学校のカラーが保守の中の保守でブルジョワ、左翼や反体制と縁がないからでしょうけど。

ミッション系の学校も極端に少なかったです。
例えば上智、青学、立教など。
これは単に志望者がいなかったため。
いずれも慶應と共通するものがありますから。

ただ今と昔は時代が違います。
今は北朝鮮やテロの脅威もメジャーな問題意識となってますから。
当時よりはこれら大学も増えているんじゃないかなと思います。

あえてミッション系に触れたのは、次の質問を受けたから。

公安庁の職務の特性上、ミッション系の大学はあまり好まれないというようなことはあるのでしょうか。

まったくありません。ご安心ください。

まとめ

以上記した通り、特定の大学で不利になることは皆無です。
一方で有利になることも僅か。
本当に面接で決まります。
学歴に自信ないという方こそ、公安調査庁を回ることを推奨します。

特に総合職について。
公安庁に限らず他官庁含めて、必ずしも有名大でないのに採用された人全員に共通する特徴があります。
それは、

卑屈ではないこと

総合職採用は管理職になる人間を選ぶわけですから、卑屈なのはそれだけでマイナスとなります。
「○○大だから」云々、そんなこと言ってる時点でアウトです。
失敗しても失うものはないのですから、開き直ってチャレンジしてみてください。

皆様の幸運を祈ります。