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マスコミ各社「東京五輪開催世論調査」の数字を読む ~見出し・タイトルにおける「真」と「偽」

雑記
この記事は約9分で読めます。

2021年5月17日、テレビ朝日による東京五輪開催についての世論調査がTwitterのトレンドに上がりました。

「東京五輪の延期・中止」8割以上に ANN世論調査
 東京オリンピック・パラリンピックを延期または中止した方が良いと考える人が8割以上に上ることがANNの世論調査で分かりました。  調査は15日、16日に行いました。  東京オリンピック・パラリンピックについて、「7月開催で良い」と答えた人は15%にとどまり、「さらに延期した方が良い」「中止した方が良い」と答えた人が...

東京五輪開催に反対する人が多いのは間違いありません。
私もその一人です。
電通もスポンサー企業も潰れてしまえと思っています。
どうして自分達が我慢強いられているのに、こいつらは美味しい思いをするのか。
きっと私と同じ理不尽感じている人は他にもいるはずです。

しかし、東京五輪開催に反対であることとと数字を正しく読むことは別です。

「東京五輪の延期・中止」8割以上に ANN世論調査

この見出しは果たして適切なのでしょうか?

私はそう思いません。
以下、上記を含む各社の五輪世論調査報道における数字を読み解いてみたいと思います。

ざっくり言うと、

・報じられたニュースの見出しに囚われてはダメ
・不明な部分は不明のままにしなくてはならない

という話です。

なお、アンケート調査にまつわる論点は他にも考えられますが、本稿では取り扱わないことにします。
数字をどのように読み取るか、この点に集中します。

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前提:「中止」と「延期」を単純に合算してはならない

まず、全てのニュースに当てはまる前提を記します。

中止と延期を単純に合算してはならない

理由を記します。

「開催中止」と「開催賛成」。
この2つははっきり意思表示されているのだから問題ありません。

しかし「延期」は異なります。
今夏に限れば、五輪中止であることはいえます。
図にすると、こんな感じです。

今夏の五輪開催について。溜息吐く親子。息子(延期派)「コロナ落ち着かないし五輪なんて気分じゃないよ。今年は止めてくんないかなあ」、母親(中止派)「森さんから女がどうたら言われて五輪まで憎くなったよ。テレビ観たくもないね」

あくまで例えですが「今夏は中止」で一致しているのは伝わるものかと。

しかし五輪そのものについては「中止」か「賛成」かわかりません。
実は賛成である可能性について、例えば次のように言い換えてみるとわかります。

延期した方がいいけど、開催はしてほしい。

つまり、開催すること自体は「賛成」の可能性もあります。
(後述しますが「賛成」を明言するものでもない点に注意)

コロナで今年は無理かもしれないけど、来年以降に状況が好転するなら開催してほしい。
理由としては、賛成派と同じ。

  • 頑張ってきた選手がかわいそうだ。
  • できればオリンピックを楽しみたい。
  • 中止で会社が被害被るとリストラ始めて減俸や失職しかねない。

などなど考えられます。
こう思う人がいても不思議ではなく、また矛盾もしないのはおわかりでしょう。
この場合、中止と合算するのは不自然です。

図にするとこんな感じです。

来年以降の五輪開催について。溜息吐く親子。息子(延期派)「母さんすっかりすねちゃって。来年コロナ収束すればなあ。母さんを五輪に連れていってスカッとさせてあげられるのに」母(中止派)「あたしゃ森さん恨むからね。女手一つで息子育ててきたプライドが折れちゃったよ。来年どころか生きてる限り五輪に反対してやる」

あくまで例えですが「来年の開催」は意見が食い違っているのが伝わるものかと。

一方で「延期」を示した側には態度保留あるいは反対寄りの立場の人だっているでしょう。
例えば、

  • 本音は中止してほしいけど、現実味欠けるから延期。
  • 今年は中止してほしいけど、来年以降は来年でまた考える。

「延期」の回答項目は、いわゆる「どちらでもない」に近い物があります。
その上で賛成寄り・態度保留・反対寄りの割合はわかりません。
言ってみれば、延期の中身はブラックボックスです。
わからないものはわからないから、わからないままにするのが本道です。

判断する材料がない以上、読み手は勝手な主観を加えてはいけません。
調査結果からは読み取れる限りのことしか読み取ってはいけません。

具体的には、

「今夏の開催中止」という点において「真」
「来年以降も開催中止」という点において「偽」

「延期」が「今夏の開催中止」であることは間違いありませんから真です。
しかし来年以降については賛成あるいは不明ですから偽です。

中止は中止でもどのような中止であるのか、条件を付して判断しなくてはなりません。
もし見出し・記事ともに触れられていなければ次の通り評価されてもやむをえないでしょう。

当該ニュースの目的=読者・視聴者のミスリードによる煽り

本項で記したことを読み手視点からまとめると、

合算された数字を安易にそのまま受け取ってはダメ

この点を踏まえて、以降をお読みください。

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ANN世論調査(2021年5月17日)

調査結果

本件調査は以下の通りです。

中止した方が良いは49%にとどまります。

見出しおよびサイトの文章

見出しは、

「東京五輪の延期・中止」8割以上に ANN世論調査

あわせて、サイトでは次の通り記されています。

 東京オリンピック・パラリンピックについて、「7月開催で良い」と答えた人は15%にとどまり、「さらに延期した方が良い」「中止した方が良い」と答えた人が合わせて82%に上りました。

どうして「延期」「中止」合算の数字で記しているのでしょう。
確かに動画内には示されていますが、見ない人は知り得ません。
「延期・反対」の内訳を記事内に書いてないことには送り手の悪意すら感じます。

つまり、偽です。

「東京五輪の延期・中止」8割以上に

本件世論調査から読み取れるのは、あくまでも以下の事項です。

・東京五輪の今夏の中止を望んでいる人は82%。
・東京五輪そのもの中止を望んでいる人は49%~82%。
・(時期はともかく)東京五輪の開催を望んでいる人は15%~48%。

東京五輪そのもの中止を望んでいる人は49%かもしれないし82%かもしれない。
この点はブラックボックスということです。

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朝日新聞世論調査(2021年5月17日)

記事リンクはこちらです。

五輪「中止」43%、「再延期」40% 朝日世論調査:朝日新聞デジタル
 15、16日に朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、東京五輪・パラリンピックの開催をどうするのがよいかを3択で聞くと、「中止」が最も多く43%、「再び延期」が40%、「今夏に開催」は14%にと…

同記事に記された調査結果は以下の通り。

  • 「今年の夏に開催する」14%
  • 「再び延期する」40%
  • 「中止する」43%

見出しは、

五輪「中止」43%、「再延期」40% 朝日世論調査

結果そのまま。
受け手はそのまま読めばいいだけです。
私としては、今回採り上げた中で最もフェアな見出しに思います。

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共同通信世論調査(2021年5月16日)

調査結果

記事リンクはこちらです。

菅内閣不支持、急増47% 五輪中止を59%、共同調査 | 共同通信
共同通信社が15、16両日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の不支持率は前回4月調査から11...

同記事より調査結果を引用します。

中止すべきだ59.7%、無観客で開催25.2%、観客数を制限して開催12.6%

見出しは、

菅内閣不支持、急増47% 五輪中止を59%、共同調査

サブタイトルなので字の大きさを変えています。
本件調査は、そもそも「延期」の選択肢がありません。
中止の割合をそのまま書いていますし、そのまま読めばいいだけです。

選択肢に問題

ただし見出しや記し方と別の問題が生じます。

「延期」の選択肢を置かないのは妥当か

延期の非現実性については、IOCの武藤敏郎事務総長が述べています。

五輪再延期「無理ではないか」と武藤事務総長 選手村の確保、アスリート心情…「現実的でない」:中日スポーツ・東京中日スポーツ
東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(77)は28日、東京五輪の再延期は不可能との私見を述べた。国際オリンピック委員会...

おっしゃっている内容には説得力がありますし、私も同意します。
ただ、あくまでも「個人的なコメント」であり、公式発表ではありません。
(何の考えもなく私見を出すわけないので公式に準じて受け取ることはできますが)

まだ公式に延期を放棄したわけじゃない以上は選択肢として残すのが妥当だったのではないかと考えます。
今夏開催は反対だけれども、来年以降の開催は賛成。
この方々の行き場がなくなってしまいます。

ただし五輪そのものの開催賛成・反対について、より鮮明になるメリットはあります。
状況からみて「延期」の選択肢を置かないことが不合理とまでは断じ得ません。
本件調査にもまた意義があり、肯定していいものと考えます。

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AFP通信(2021年5月17日)

AFP通信はフランス通信社。
AP通信・ロイターとあわせた三大通信社に数えられており、時事通信社と特約契約を結んでいます。
自社調査ではなく、先の朝日新聞と共同通信の調査を採り上げたものです。

記事リンク。

今夏の五輪開催、反対が8割超 最新世論調査
【5月17日 AFP】(写真追加)東京五輪開幕まで10週間を切る中、17日に発表された最新の世論調査で、今夏の開催に反対している人が8割を超えることが明らかになった。

見出し。

今夏の五輪開催、反対が8割超 最新世論調査

朝日の中止43%と再延期40%を合算した数字です。
先に記した通り「今夏の」と限定を付しています。
事実としては真です。

ただ、ここは個人的にですが。
朝日が結果をそのまま記しているのを、わざわざ合算して言い換えている。
記事内ではちゃんと内訳を記していますが、送り手のバイアスをかけようとする意思は感じてしまいます。

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読売新聞世論調査(2021年5月10日)

調査結果

記事リンク。

東京五輪「中止」59%、「開催」39%…読売世論調査 : 世論調査 : 選挙・世論調査
読売新聞社が7~9日に実施した全国世論調査で、今年夏の東京五輪・パラリンピックについて聞くと、「中止する」59%が最も多く、「開催する」は「観客数を制限して」16%と「観客を入れずに」23%をあわせて39%にとどまった

調査結果。
同記事よりグラフを引用します。

中止する59、観客を入れずに開催する23、観客数を制限して開催する16%

共同通信と同じ選択肢。
選択肢の問題については先述した通りです。

見出し。

東京五輪「中止」59%、「開催」39%…読売世論調査

ここは共同通信と異なるところ。
「無観客開催」も「観客を制限しての開催」もひとまずは開催賛成で一致しています。
その観点からすると合算しても問題ありません。

図にするとこんな感じ。

東京五輪今夏開催派のカップル。男子(観客制限で開催派)選手は観客に見られることで燃えるんだぜ?コロナなんて距離置けば大丈夫だってば。女子(無観客開催派)「これ以上コロナ増えたら看護婦のお姉ちゃんが過労で倒れちゃう。でも選手さん頑張ってきたし、観客入れないなら…

あくまで例えですが「開催」について意見が一致しているのは伝わるものかと。

同じ数字でも評価軸を変えることで解釈を変えられる

ただ賛成であっても質は異なります。
政府は観客を入れての開催を望んでいるのが各所の報道から窺えます。

そうすると実は次の解釈もいえそうです。

(政府方針とされる)観客数を制限しての開催に82%が反対。

これは真でしょうか?

理屈としては「今夏の五輪開催」と同じ。
無観客開催派もブラックボックスなんです。

以下、2つの図を御覧ください。

女の子の台詞を少し変えてみます。

どちらでも「無観客開催」の立場に矛盾がないことはわかるでしょう。
無観客開催がベストじゃあるけど、精査してみると単純に開催賛成・反対のどちらかとまでは言えません。
さきほど「ひとまず開催で一致」と限定を付したのはこのためです。

つまり、

(政府方針とされる)観客数を制限しての開催に82%が反対。

となります。

テレビ朝日と同様にまとめると、次の通りです。

・(方法はともかく)東京五輪の開催を望んでいる人は39%。
・東京五輪の観客数を制限しての開催を望んでいる人は16%~39%。
・東京五輪の観客数を制限して開催する場合、中止に回る人は59%~82%。
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毎日新聞世論調査(2021年5月22日)

記事リンク。

東京オリンピック「中止」「再延期」が6割超 毎日新聞世論調査 | 毎日新聞
 毎日新聞と社会調査研究センターは22日、全国世論調査を実施した。  東京オリンピック・パラリンピックについては、「中止すべきだ」が40%で最も多く、前回(29%)から11ポイント増加した。「再び延期すべきだ」は23%(前回19%)で、「中止」と「再延期」を合わせて6割を超えた。海外からの観客を入れ

調査結果。
記事からグラフを引用します。

見出し。

東京オリンピック「中止」「再延期」が6割超 毎日新聞世論調査

テレビ朝日の項目で述べた通りです。
さすがにテレビ朝日ほどの悪意は感じませんが。

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最後に 五輪そのものの開催・中止の割合は?

最後にこの答えを出さないとモヤっとする人もいるかもしれません。

各社世論調査から「五輪そのものの開催」に反対の割合はどれだけと解するのが妥当か?

以下、私見ですが参考までに。

開催・中止の構造が鮮明となる共同通信・読売新聞の調査結果そのまま。
中止派が約6割と解していいと思います。

「延期」を選択肢に入れたメディアの「中止」が40~49%。
延期派の一部が中止に流れることを考えれば6割は範囲内の数字です。
幅を持たせて5.5~6割。
誤差は標本の差ということでいいのではないでしょうか。

この記事を書いた人

広島市内のパチンコホール勤務。
3号機時代からのパチンカス。
ADHD、精神障害者手帳3級所持。
慶應義塾大学商学部卒、専攻はマーケティング(広告・宣伝)
国家一種試験経済職の資格で公安調査庁に入庁。
在職時は国際テロ、北朝鮮を担当。
「小説家になろう」の底辺作者。
WordPress記事は素人の備忘録です。

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