本記事は、私がKUSANAGIを導入しようとしたら各所で躓いてしまったので、超のつく初心者でもわかるよう、公式マニュアルを書き換えてみたというものです。
公式とあわせて読めば、誰でも楽に設定できる……はず?
【2021年2月22日追記】
本稿は「KUSANAGI Manager」実装前に記したものです。
KUSANAGI Managerであればレンタルサーバー感覚でKUSANAGIを導入できます。
個人的にはあまり推奨しませんが……(後述)

アイキャッチの画像はKUSANAGIのイメージキャラクター草薙沙耶 ©PRIME STRATEGY
KUSANAGIに興味のある全ての初心者&素人にこの記事を捧げます
私がKUSANAGI for ConoHaに移行したときは、こんな状態でした。
そんな私でも導入できたのですから誰でもできます。
ただ苦労しました。とにかくひたすら苦労しました。
どのページ見ても中級者向けに書かれており、検索して調べるだけでも苦労しました。
でもだからこそ、そんな人間が導入マニュアルの注意書きを記すことは意味があるのではないかと考えています。
いわば初心者&素人向けの翻訳。
公式マニュアルとあわせて読めば、わからないところは大体解決できるはずです。
なお、ConoHaとしていますが、途中からは他のKUSANAGIでも同じです。
KUSANAGIマネージャーについて【2021年5月5日追記】
現在ですとKUSANAGIマネージャーで、もっと簡単にセットアップできます。
しかし私は推奨しません。
最低限の知識がないと作った後の運用で詰みます。
セットアップはコマンドラインで行って慣れておいた方がいいです。
あと、ある程度わかる方ですと、KUSANAGIマネージャーは却ってまどろこしいです。
それでもという方は、こちらからどうぞ。

公式がわかりやすくできているので、私からは説明することありません。
事前準備
1 ターミナルソフトとSFTPソフトを用意する
ターミナルソフトはConoHaですとなくても操作できますが導入した方が便利です。
SFTPは移転の場合や構築後のファイル管理で絶対に必要となります。
私は訳分からない状態だったので、とにかく有名そうなものを選びました。
「有名=検索すれば使い方を拾える」ので。
以下はこの2つを使うことを前提に説明を進めます。
2 (サーバー移行の方のみ)プラグインAll-in-One WP Migrationで引越ファイルを作成する
これが一番楽です。
現在使っている環境をそのまま移行できます。
ただし容量512MBまでという制限がありますので、画像ファイルとテーマファイルは別途PCに落として下さい。
KUSANAGI for ConoHa
公式マニュアル。

1 入会する
まだ入会していない方の場合、ここをクリック して入会すれば、1000円クーポンがもらえます。
キャンペーンを行っている場合はあわせて適用されます。
また入会だけして支払方法を登録せず一週間放置すれば、さらに500円分のクーポンがもらえます(記事執筆当時、現在は不明)。
2 ConoHaにログインしてサーバーを作る
ConoHaにログイン。
ウィンドウ左端にあるタブの一番上「サーバー追加」をクリックします。
あとは、画像の通り打ち込めばいいです。
①メモリ
KUSANAGIは4GB推奨ですが、小規模サイトなら1GBで十分です。
②イメージタイプ
アプリケーションをクリック
③アプリケーション
WordPressをクリック
④rootパスワード
桁数多く、大小英字に数字と記号を交えた強力なものを
⑤SSHKEY
「新しいキーを追加」をクリック
⑥ネームタグ
好きな名前で自分のわかりやすいものを(デフォルトでもOK)
⑦ネームタグ
好きな名前で自分のわかりやすいものを(デフォルトでもOK)
3 完了
SSHキーがダウンロードされます。
1回しかダウンロードできないので、なくさないように。
ログイン
1 ターミナルソフトを起動してログインする
公式では「コンソール」を起動しろと書いてます。
実際にそれでいいのですが、ここは後々のためにあえて回り道。
ターミナルソフトで行います。
1 サーバーのIPアドレスを調べる
ConoHaのサーバー一覧を開き、ネームタグをクリックします。
するとIPアドレスが出ます。
2 Tera Termを起動する
ConoHaのサイトに説明があります。
https://support.conoha.jp/v/study-04/
ただ、ここは先程作った鍵を使ってログインします。
Tera Termを起動すると、こんな画面が出ます。
ホスト欄に先程調べたIPアドレスをコピペしてください。
他はそのままでOKを押します。
初めてのログインのみ、こんな画面が出ます。
続行を押して下さい。
①「root」と打ちます。
②クリックして「~鍵を使う」に変更します。
③「秘密鍵」をクリックし、鍵ファイル(拡張子.pem)を選択します。
④「OK」をクリックします。
ログインできました。
KUSANAGIの初期設定
公式マニュアルはこちら。

1 初期設定の開始
青い部分をTera Termの画面にコピペしてENTERを押します。
コピペ用のコードはこちら。
# yum --enablerepo=remi,remi-php56 update -y
ここで初心者・素人に大事なことを1つ。

今笑った人。
素人っていうのは、それすらわからないから素人って呼ぶんだ!
ちなみに「#」はroot、「$」はそれ以外を指します。
違いがわからなければわからないで、今のところは大丈夫です。
処理が終わったら再起動します。
# reboot
そして、これ。
大事なことを言います。

正しくは、こう入力します。
# kusanagi init --tz tokyo
これで3の手順を省けます。
日本以外の方は「tokyo」を適宜変えて下さい。
あるいは、
# kusanagi init
とだけ入力し、リストが出力されたら自国のタイムゾーンを選択してください。
2~3 省略
4~6 公式ページを参照
7 鍵認証の設定

推奨と書いてますが無視していいです(逆に、入れるとエラーが起きる可能性あるらしいので)
8 公式ページを参照
9 Webサーバの選択

基本はNginxを選びます。
ただしNginxはApacheに比較して情報が少ないですし、解説してるサイトも知識のある方向け。
不安でしたらApacheを選んでください。
10 アプリケーションサーバの選択
「2」を入力してENTER。
デフォルトはHHVMですがPHP7を選ぶ方が無難です。
PHP7でも十分な速度ですし、HHVMには互換性の問題がありますので。
11 公式ページを参照
KUSANAGIのプロビジョニング
1 kusanagi provision コマンドの実行
オプションは無視して、次の通り入力します。
# kusanagi provision 【任意のプロファイル名】
プロファイル名は長く付き合っていきますので、親しみやすいものを。
2 省略
3 公式ページを参照
4 省略
5 ホスト名の設定
ドメイン名を2回入力します。
6 Let’s Encryptの設定
2回空打ちします。
SSLの設定ですが、後に回します。
7~10 公式ページを参照
続いてWordPressをインストールします。
WordPressのインストール
1 ブラウザでページにアクセスする

管理者権限で開いてください。
(わからなければデスクトップなどにドラッグアンドドロップして編集、保存したらetcに戻せば反映されます)
一番下の行に「IPアドレス(半角スペース)ドメイン名」を記して保存します。
これでドメイン名によるアクセスができます(移行の場合は元サイトより優先して表示されます)
2 インストール

公式ページそのままでわかると思います。
新規の方のみ、1点注意。

(移転の方は元の設定によって上書されます)
後からでも変更できますが、最初からしておくに越したことはないので。
3 元の環境を回復する(サーバー移転の方のみ)
All-in-One WP Migrationをインストールして、バックアップファイルをアップロードします。
終わったらWinSCPを起動して、メディアファイルとテーマファイルを元の場所にアップロードします。。
ログイン方法はConoHa公式を御参照ください。

パーミッションエラーが出た場合は適宜変更してください。
ファイルorフォルダを右クリック→「プロパティ」でパーミッション・所有者・グループの変更が可能です。
4 DNSを設定する
取得した会社に応じて設定してください。
ムームードメインの場合のみ、簡単に記しておきます。
- コントロールパネルにログイン
- 左側のメニューから「ネームサーバー設定変更」をクリック
- 「ネームサーバー設定変更」のボタンをクリック
- 「ムームードメインのネームサーバ(ムームーDNS)を使用する」を選択して「ネームサーバー設定変更」のボタンをクリック
- 左側のメニューから「ムームーDNS」をクリック
- 「変更」をクリック
- 設定1が全て「利用しない」になっていることを確認する(なっていない場合は選択する)
- 設定2に次の通り入力する。
no1 サブドメイン:空欄、種別:A、内容:IPアドレス
no2 サブドメイン:www、種別:A、内容:IPアドレス - 「セットアップ情報変更」ボタンをクリック
反映されるまで、のんびり待ちます。

5 SSL化する
プロビジョニングの過程で飛ばしたLet’s Encryptを設定します。
次のコマンドを打ち込んで下さい。
kusanagi ssl --email 【自分のメールアドレス】 【プロファイル名】
「conglaturation」と出ればOK。
念のため、次のコマンドを打ち込んで確認してください。
crontab -l
成功していたら「/usr/bin/kusanagi update cert」という文字が出ます。
(参考記事ではプロファイル名も出るらしいのですが、私は出ませんでした)
失敗していた場合は、時間をおいてやり直してみて下さい。
また取得回数制限がありますので御注意ください。
サイトの表示に問題がなければhttpからhttpsへのリダイレクト設定をします。
次のコマンドを打ち込んで下さい。
kusanagi ssl --https redirect 【プロファイル名】
これで完了です。
参考:「みやの宝箱」さま
他のKUSANAGI関連の記事も充実していますので、余裕ができたらサイトを巡回してみてください。
終わり
導入までの手順は、ここまで。
公式のインストール部分+αの翻訳終わりました。

設定完了まで頑張ってください!

ハードルはむしろ、この後だと思うけどね…
作業ユーザーの追加とかファイアウォールとか…
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