ツイートアクティビティからは「リンクのクリックの数」を見れば宣伝の直接的な効果がわかります。
こちらで説明した通りです。
しかし、
リンクを30回もクリックしてもらえてるのに、ブックマークは全然増えない……
そう……でも、10回しかクリックしてもらえていないのにブックマーク伸びるときもあるわ
それも同じ作品でね
何だって!
本稿では、この奇怪とも言いうる現象について説明します。
最初にざっくり言ってしまうと、
リンククリックの質の問題があるんじゃないかしら?
この点に留意して、以下をお読みください。
なお、書籍化作家・メジャー作家はブラバしてお帰りください。
本連載は、あくまでもマイナー・底辺作者に向けて書いたものです。
……が、テンプレなのですが。
本稿に限ればどの層であっても参考になると思います。
俗に言うコンテンツマーケティング一般の話ですので
※本稿は6年前に連載したものをリライトして再アップしたものです。著者は2021年現在、Twitterでの宣伝・作者との交流をほとんど行っていません。
同じ作品の2つの宣伝ツイート
宣伝した商材
以下、拙作「キノコ煮込みに秘密のスパイスを」(キノスパ)の宣伝ツイート2つを比較してみます。
キノスパは、かつて週刊誌にニュースとして報じられたことがあります。
Yahoo!ニュースにも転載されました。
それを知っている方ですと、
参考になるか!
とおっしゃるかもしれません。
これはまだ報道される前の話。
本当の本当のほとんど誰にも読んでもらえなかった頃の話です。
宣伝ツイートは両方とも数日間トップに固定してました。
その1 「レビュー」の画像を用いた宣伝ツイート
ツイート画像。
※注意:レビューはレビュアーが削除しました。従ってレビュー部分をカットしてます。
ツイートアクティビティ。
その2 公安調査庁採用パンフレット画像を用いた宣伝ツイート
ツイート画像。
ツイートアクティビティ。
両ツイートの数字比較
リツイート数は双方とも約110ちょっとでほとんど変わりません。
リンククリック数を見ると、その1が47でその2が70。
その2が大きく上回っています。
だったらブクマもその2の方が増えたんだよね?
ううん? その1の方が増えたわ
それも、目に見えてはっきりわかるほどにね
なんだって!?
両宣伝ツイートによるブックマーク増加数の比較
Twitter宣伝によるブックマーク増加数
ブックマーク増加数は次の通りです。
もちろん他のルートからブックマーク入った可能性もありますが、ここでは除外します。
両者のリアクションの違いは「話別ユニーク」を見るとハッキリします
話別ユニークの比較
その1の話別ユニーク
その2の話別ユニーク
比較
普段のユニーク数は各話0~2人。
いずれのツイートとも宣伝自体の効果自体はあります。
しかしその1の方が小説を読み切ってくれた人数(=完走数)が多いです。
この完走数の差がブックマーク数の違いとなって顕れたものと考えられます
なお下のユニークで16話が跳ね上がってるのは読了報告が飛んだためです。
イレギュラーな要素ですので無視して構いません。
リンククリックの質
どうしてこうなったか。
リンククリックの質について具体的に考察します。
宣伝「その1」
まず、ツイートに使ったレビューについて。
宣伝という観点からありがたかったのは「女性視点」で書いてもらえたことでした。
かつレビュアーは女性向け恋愛ジャンルの作者でした。
なろうにおける私のイメージは「男性向け作者」だと思います。
エロゲー世界への転移を描いた作品で知られているわけですから当然です。
しかし、キノスパを楽しんでくれた人は「女性向け」作者だとみています。
男性と女性で反応が全く違います。
なのにギャップゆえ、本来読んでもらいたい読者層に読んでもらえないジレンマを抱えてます。
しかし女性向け恋愛ジャンルの作者が女性視点で推薦すれば、キノスパは女性向け作品ということになる。
これならきっと「男性向け」のイメージを払拭できる!
そう思い、本人の許可を得て、宣伝に利用させていただきました。
上の結果は、狙いがずばり当たったんだと思います
これお裏付ける現象として、「この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!」の欄に「悪役令嬢後宮物語」が出現しました。
完全に女性向けじゃん!
まさに女性読者が増えたってことじゃん!
これまで男性向けと思って敬遠していた、あるいは最初から知らなかった女性読者層がクリック。
ブクマを入れて読んでくれたのでしょう。
言い換えれば、
「読んでみようと思ってのリンククリック」です
宣伝 その2
これは政治なら保守、趣味ならミリオタ・公安ネタ。
あるいは就職で公安庁をはじめとする諜報業界を志望する人達を狙ったもの。
つまり、
本作の「お仕事物」としての側面をアピールしようと目論んだものです
画像に使ったのは最年度の公安庁採用パンフレット。
お役所の萌えとして話題になった代物であり、イラスト自体のクォリティも絶品。
そのせいもあってか、注目を集めることには成功しました。
しかしそこで終わってしまったのでしょう。
リンククリックの動機は、恐らく単なる「好奇心」。
言い換えれば、
「とりあえず開いてみた程度のリンククリック」です
だから「開く→読む・読み進める」というアクションまではつながらなかったのでしょう。
まとめ
クリックの質の違いは、クリックの「動機」にあるの
「作品ページを開かせる」だけじゃない
「読んでもらう」ことまで意識して宣伝しましょう!