親指シフトの生産性と再評価 ~かつてはワープロ専用機というのがありました【きもおたこらむ】

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2015-04-30日記・雑記

富士通 ワープロ オアシス OASYS LX-3000

本記事は、拙作「キモオタでギャルゲー、それって何の罰ゲーム!? 」(以下、キモオタ)の読者を対象に書いたエッセイです。
ただ、一般の方でも楽しめるように書いてます。
よろしければ読者以外の方も読んでいってください。

昔のワープロ事情

冒頭の写真を見て「懐かしい!」と思った方は、私と同じくおっさんです。

富士通のワープロ、「OASYS LX3000」。
1994年10月の発売で、定価238000円なり。
とんでもない値段してますよね……。

拙作EP67からの引用です。

 「あ、じゃあ待って。他の科目はあたし打つからワープロ持ってくる」

 ワープロ持ってくる?

 二葉が再び部屋から出て行き、すぐに戻ってきた。

 片手にはバカでかい、一見ノートパソコンみたいな機械を持っている。

 ああ、ワープロ専用機か。

 大昔って、パソコンではなく専用機の方が主流だったんだっけ。

 知識としてはあるけど、実物見るのは初めてだ。

 

 もう一方の手には折り畳みテーブル。

 二葉がテーブルを開いてワープロを置く。

 背の印字部分が実に物々しい。

 極端に言っちゃえば、プリンタ一体型のノートパソコンだし。

1994年当時、ワープロといえばまだまだ専用機の時代でした。
ちょうどパソコンへの移行期にあたります。

ノートパソコンも出回ってはいました。
しかし、その値段は40万円以上。
ワープロの下手すれば10倍以上。
とてもじゃありませんがワープロ目的に買おうと思える代物じゃありませんでした。

電気屋では色々な規格のワープロが各社から売り出されてました。
OASYS、書院、文豪……。
今の方は恐らくどれも知らないと思います。
その中で私が選んだのが富士通のOASYSでした。

富士通OASYS 「親指シフト」を採用したワープロ

再びEP67からの引用です。

 画面横の筐体には「OASYS」と書いてある。

 ──ん?

「このキーボードの配列、パソコンのと全然違わないか?」

「ああ、これ『親指シフト』だよ」

「親指シフト?」

「あたしはこっちで慣れてるから、普通のキーボードだと打ちづらくてさ」

 そう言えばネットのまとめか何かで記事を読んだっけ。

 一度は絶滅危惧種に指定されたが、いわゆるJIS配列のキーボードと比べて生産性が倍になるという話で再評価されているとか。

 こういうIT関連で一周回って新しくなるのは珍しいから感心したものだった。

OASYSの特徴はキーボードにあります
いわゆる「JIS」規格とは違う「親指シフト」を採用しました。

親指シフトがもう、使いやすいのなんの。
具体的にどう使いやすいかは残念ながら忘れてしまったのですが、その入力しやすさにおいてJIS規格は足元にも及ばない。
日本語をダイレクトに打ち込みますから、頭と指が同時に動くって感じで。
また強制的にホームポジションに置かされるため、正しい運指を覚えやすいです。

以上の理由から支持を集めたOASYSは国内シェアナンバーワンでした。
ただ普通の規格と違うのが嫌われたのか、さほど圧倒的ではなかったと思います。
実際、周囲の多くは書院か文豪でした。

親指シフトの再評価

この親指シフト、作中でも採り上げましたが、現在再評価されています。
「生産性が倍に上がる」という謳い文句で。

親指シフトを過去に体験した身として、この点決して大袈裟ではありません。
親指シフト用のキーボードも売ってますが、普通のキーボードでもソフトでエミュレートできます。
興味ある方は試してみてはいかがでしょうか。

当時のパソコンにおけるワープロ事情

ついでワープロソフトウェアの話。
実は私、この頃はOASYS FOR WINDOWS。
ワープロがOASYSでしたので。

世間的には一太郎が圧倒的優位、ついでWordだったと思います。

これは当時の日本語入力がATOKしか考えられなかったため。
だからみんなパソコンを買う時は、ATOKのついている一太郎がバンドルされたモデルを選択していました。
一太郎モデル以外だと別途ATOKを購入するハメになるので高くつくんですよね。

特にWordの日本語入力は使い物になりませんでした。
もう文節からしてぐちゃぐちゃ。
まともな変換できるわけがありません。
現在のiPhoneのおバカな日本語入力すら神に見えるレベルです。

Word本体自体は一太郎と一長一短でした。
Wordが一太郎より優ったのは軽さ。
当時のパソコンは非力でしたから「動作が軽い」というのは重要な選択ポイントでした。
ひいては安定性にもつながりますので。

また数式や英文を打つ機会が多い人だと、Word以外ありえませんでした。
それゆえ「Word+ATOK」が当時定番となっていた組合せでした。

ATOKのすごさ

再びEP67からの引用です。

 ワープロソフトの使い勝手は元の世界とあまり変わらない。

 ウィンドウ枠には【一太郎】の表記。

 バージョン情報を見ると【Ver.5】。

 文字入力は当然ATOK。

 きっとATOKが偉大なのだろう。

 完全にWordが席巻している元の世界ですら、ATOKを使ってる人は多いから

主人公が「元の世界と変わらない」。
主人公というか私の実感なわけですが、そう思えてしまうのがATOKのすごさです。
さすがに現在だと他の日本語入力も使い物になりますが、ATOKは昔も今も使い心地が変わりません。
つまり二〇年前に現在の水準に達していたということになります。
ジャストシステム恐るべしです。

少し話は戻りますが、この時代のパソコンは「Word+EXCEL」モデルか「一太郎+ロータス123」モデルの形で売られていました。
表計算ソフトの評判はEXCEL>ロータスだったので、ATOKとEXCELのどちらをとるか悩む人も多かったです。
ソフトでパソコンを選ぶ、そういう時代でもありました