本稿は公安調査庁(以下、公安庁)職員向け、内部向けの記事です。
そんなもの書くつもりなかったんですけど、元記事から切り離したらそうなってしまいました。
タイトルはともかくとして、ただ切り離しただけなのが本音。
ぶっちゃけ読んでもらおうとも語ろうとも思っていません。
せっかく書いたものを削るのがもったいなかっただけで、どうでもいいです。
ただ本稿に記すことは、
きっと本庁の分析担当職員は全員思ってるよ!
評価取れなくて首席から怒られてる人。
マルコウが進まない人。
もしかしたら役に立つことが書いてあるかもしれません。
あと公安庁を目指している学生さん・その他さん。
読んでおけば、入庁した後で役に立つかもしれません。
公安庁は残酷なまでの成果主義
公安庁現場職員(かつノンキャリア職員)の勤務評定は「協力者登録(以下、登録)できたか」でなされます。
内部っぽく言えば「1本とれたか」、あるいは「お客さんとれたか」。
俗っぽく言えば「スパイを作ることができたか」。
とにかく残酷なまでの成果主義です。
登録するには報告書評価で「優良報告」を獲ることが前提となります。
(単に「評価」、あるいは昔の名前で「賞詞」ということもあります)
C+、B、A。
つまり優良報告を獲ることが査定材料とも言い換えられます。
もちろん登録以外でも優良報告をとった場合は評価されます。
そもそも登録なんて局で年間1人もいないなんてざらですから。
いえ、それどころか、
優良報告を1本とることすら困難です
内閣合同情報会議はじめ官邸にあげられる情報は国家機密そのもの。
つまり「国家機密を入手してこい」と言われてるも同然なのですから。
月替わりの時期、現場では首席からヒラまでそわそわし始めます。
今月は優良報告もらえるかな? どうかな?
こないだ送った報告書は自信あるんだ♪
そして
来なかったか……しょんぼり……
これがいつもの光景だったりします。
優良報告の基準
優良報告の基準は、
- C+:内閣合同情報会議ほか、官邸へ提供した情報の補強となる報告書(間接貢献)。
- B:官邸へ提供した情報に使われた報告書(直接貢献)。
- A:それ以上の報告書
Aについては私も数えるほどしか見ていませんが、まさに仰天するレベルの情報です。
年間で一本も出ないことすらあります。
Aを獲れる職員なら私が口出しするところじゃありません。
この基準の場合ですと、B以上の報告書評価を1本とることが登録の条件です。
公安庁の場合は基準がしょっちゅう変わるので今はランク付けが異なるかもですけど。
(その場合は適当に読み替えてください)
直接貢献を果たすことが登録の条件なのは今も昔もずっと変わらないと思います
頑張っているのに優良報告が獲れない人の共通点
優良報告が獲れない職員には2通りのパターンがあります。
1つは、
そもそも報告書を書かない・送らないのだから評価獲れるわけがありません。
自ら割り切ってそうしているのなら私は何も言いません。
どうぞ一人で、あるいは部下と遊んでください。
私も遊んでもらってましたし。
困るのは、他人の足を引っ張るのもこのタイプの職員だったりします。
あえてここでは書きませんけど。
1つは、
残念ながら、このタイプの職員も多いんです。
「真面目なつもり」じゃなくて本当に「真面目」。
それなのに報われない。
逆に優良報告を獲れる職員はガンガン稼ぎます。
登録も毎年のようにしますから格差は広がる一方です。
この違いはどこにあるのか?
優良報告を獲れない職員の共通点の一つ。
それは、
調査課題を読んでいない、あるいは理解していないことです
拙作「キノコ煮込みに秘密のスパイスを」からの引用
以下、拙作「キノコ煮込みに秘密のスパイスを」からの引用です。
「まず本庁から現場に送られる〝調査課題〟を読む。それが本庁のニーズなのだから現場はそれに応えないといけない。そこはわかるよな」
調査課題とは本庁が必要としている情報のテーマが列挙された表。
(~中略~)
「もし接点や条件を優先にマルコウを進めると〝報告書評価〟が取れずにマルコウが進まなくなる。一体そういう調査官が全国に何人いることか」
報告書評価はAからCでなされC+以上が優良報告として扱われる。この優良報告を何本取れるかが地方支局や調査官の評価となり、同時にマルコウの指標となる。しかし一年通じて一本も優良報告を取れないのは当たり前。評価はそれくらい厳しい。
(~中略)
「あとは勉強も大事。新聞等の公然情報や本庁資料には可能な限り目を通す。その上で考えた質問を相手にぶつけて初めて高度な非公然情報が取れる。あと、マルタイになめられないためにもさ。担当官の質問は値踏み材料の一つになるから」
引用の解説
本当はマルコウとの絡みで考えていかないといけないんですけど、ややこしくなるので置いときます。
知りたい方はEP30を丸ごと読んでください。
大事なのは、
当たり前のはずの図式。
それなのにわかってない人が本当に多かったです。
表現を変えましょう。
仕事の要領が悪いんです
こんなこと言われたらムカつくかもしれません。
でも、裏を返すと、
要領が悪いだけなんです
だったら要領を覚えて、仕事のやり方を変えればいいんです
極端な事を言えば、優良報告もらえない仕事なんて適当でいいんです。
報告書の本数もまた評価されますから書かないわけにはいきませんけど。
評価をとれる仕事ととれない仕事はきっちりわけましょう。
評価をとれる仕事に全力を費やしましょう。
その代わり、調査課題は何度でも読み返します。
ただ読むだけじゃなく、
どうして、この調査課題が出されたのかを考えましょう
わからなければ公然情報や庁内資料を読む。
わかっていたら、さらにその周辺事情を追う。
そうこうしている内に、客にどんな質問をすればいいか思い浮かびます。
その答えこそが優良報告のとれる報告書です
1回じゃ獲れなくても2回3回と繰り返せば必ず獲れます。
1本優良報告獲れれば書き方がわかるので何度でも獲れるようになります。
コツさえ掴めば優良報告を量産できるようになるはずです。
調査官個人の努力じゃどうにもならない場合もある……
前項で「必ず」と書きましたが、どうにもならない場合もあります。
そもそも優良報告の出ない部門にいるなら諦めるしかありません
官邸で重視されるのは一部(国内)より二部(国外)の情報。
つまり国内の情報の方が資料に使われづらいわけです。
先述した通り、優良報告になるかどうかは官邸提供資料に使われるかどうか。
もう最初から話になってないよね!
理不尽とは思います。
ただ勤務評定は課内における相対評価。
花形部署より評価とりづらいからといって損することはないはずです。
まとめ
偉そうに申し上げましたが。
評価される職員とされない職員。
真面目に仕事しているのを前提とするならば、大きいのは本当に要領の差なんです。
ちょっとだけ仕事する角度を変えてみてください。
それだけでガラリと自分を取り巻く環境が、周囲の自分を見る目が変わるかもしれません。
努力する人、頑張る人に幸運が訪れますように♪
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