いっぺん、死んでみる？　Pとある科学の超電磁砲（レールガン）に渦巻くパチンコ店の怨み

１月25日より広島で導入の始まった藤商事の「Pとある科学の超電磁砲（レールガン）」。
昨秋ホールを席巻した「Pとある魔術の禁書目録」と同シリーズ。
しかも版権の強さではレールガンの方が禁書を上回ります。
まさに本命と言ってよく、パチンコ業界において現在最も注目されている台といって過言ではありません。

しかしレールガンの販売方法をめぐってはホールから藤商事に対する不満があがりました。

あちこちで「地獄少女」のヒロイン閻魔あいの決め台詞が口走られた模様です。

「P地獄少女華」のレビュー欄に渦巻くホールの怨嗟

中古機相場.comをチェックしていたときのこと。
「P地獄少女華」の「導入前のレビュー」を見てびっくりしました。
ないだろうと思いつつ、選定者のＡさんに確認をとります。

見た瞬間、ぶんぶん首を振る。

身に覚えがないと言っておいて、さらに強烈に否定する。
それくらいに書かれていた内容は、私がAさんから聞いていた話と同じでした。

どんなことが書いてあるかは直接サイトを御覧ください。

中古機相場.comのP地獄少女華導入前レビュー

最近は業界以外の人も同サイトに書き込むせいで鵜呑みにできなくなってきていますが。
ここに書いたのはみんな業界関係者でいいんじゃないでしょうか？

以下、特に大きな不満であろう２点について記します。

「P地獄少女華」との抱き合わせについて

パチンコ業界における「抱き合わせ」とは？

既にネットのあちこちで書かれていますが、P地獄少女華はレールガンの抱き合わせです。

抱き合わせとは、

P業界にいれば常識ですが、私のサイトはそれ以外の読者の方がメインですので記しておきます。
もちろん、

という疑念も叫ばれています。
しかし疑念はあくまでも疑念。
ホールにしてみれば政治・行政が動かない以上はどうしようもありません。

現実問題として、

で割り切らざるをえません。

問題は「行為」ではなく「比率」

もちろん抱き合わせそのものについて、

と怒っている担当者の方もいらっしゃるでしょう。
ですが、そこは今更です。
禁書で実績を作った以上、レールガンで抱き合わせしてくるのは当然のこと。
諦めるしかありません。

そうではなく。
ホールが呆然としたのは抱き合わせの台とその比率です。
既に広く知られた数字ですが、

換言すると、

藤商事が用意した地獄少女華の台数は２万台といわれています。
対するレールガンも同様に２万台予定。
もう全力でセットにして売りまくる気満々です。

しかし……

パチンコ業界における地獄少女

地獄少女は「いっぺん、死んでみる？」が決めセリフなテレビアニメ。

少女漫画などをまじえたメディアミックス展開がされています。
とあるシリーズ販売以前においてはリングと並ぶ藤商事の看板といえるシリーズでした。

「ＣＲ地獄少女弐」や「同　きくりの地獄祭り」などは「バラエティの王者」とまで評されています。
老若男女問わない版権と原作愛溢れる作り込んだ演出がセールスポイントです。

地獄少女華は最近流行りのST超速出玉タイプではなくオーソドックスな確変タイプ。
ただ地獄少女シリーズは元々そういう仕様です。
一定の稼働は見込めますので、抱き合わせなくともバラエティ用途に買う店はあるでしょう。

地獄少女華の問題は適正台数

しかしパチンコの設置においては、

選定者は大きく２つの視点から適正台数を判断します。

１つは自店において。
例えば１台で十分なところに１０台も設置したら残り９台動くわけありません。

１つはエリアあるいは市場全体において。
自店の商圏においてライバル店が設置していないなら、その台は動く傾向にあります。
一方でどこに行っても打てるなら、しかも空き台多数なら。
自店も同じようになる可能性が高いです。

本件の場合はいずれにおいても、

レールガンは少なくとも初動は間違いなく高い数字が見込まれます。
また禁書の実績と版権人気をあわせればホールの一大看板になる可能性も秘めています。
言い換えると、地獄少女華より遥かに大きい適正台数が見込まれます。
どのホールだって買えるだけ買いたいです。

しかしレールガンを基準に地獄少女華を揃えると、地獄少女華は過大な設置になります。
通路になるのは火を見るより明らか。
しかも中古相場は販売前から暴落するのがわかりきってますから資産になりません。
（現実に2月8日現在で3万5000円前後と大暴落しています）

というわけで、

となるわけです。

他メーカーの抱き合わせですと、こんな感じ。

とか。

とか。

もう少し選択の余地があります。
ホールとしては多少なりともリスクヘッジができるわけです。

ホールがとった対応

様々なケースがあると思いますが……どのホールも少なからず意識したのはこれでしょう。

レールガンはまだ発売前で未知数。
変則仕様で大当たり確率が半端で遊タイムもない。
事前に公開されているだけでも荒そうなスペックが見てとれる。
甘く安定したスペックの禁書とは性格を大きく異にします。

例えば「機動戦士ガンダムユニコーン」レベルでホールに不可欠になるとまで見込まれないなら、

となるわけです。
その分の予算を、それこそガンダムUCなどの増台に回します。

もちろん地獄少女華をボックスで買ったホールもあります。
多台数購入割引ありますし、初動だけ抜いてから機械を売り飛ばして一定の損失は割り切る。
パチンコが強い店ならそれができますから。

言えることは、

それだけのことです。
レールガンを入れるメリットと地獄少女華を入れすぎるデメリットの間でバランスをとるわけです。
私の店ではこの選択をしましたので、地獄少女華に限れば特に藤商事を怨んではいません。

【補足】抱き合わせ比率の変更

なお、比率は最終的に変更されました。

結局は地獄少女華の台数プラスアルファの台数が割り当てられました。
正確な比率はチェーンで異なる可能性がありますし、「約」とつけている通りぼかしています。
ただ、多くの店で地獄少女華の設置台数よりレールガンの設置台数の方が優っているはずです。
（レールガンが地獄少女華と同数～下回っている場合は同じチェーンの系列店へ回している可能性が高いです）
１：１が広まりすぎているので付け加えておきます。

と言いますか、

「P真・暴れん坊将軍 双撃」の機歴が無視されたことについて

藤商事と揉める

地獄少女華についてはまだよかったのですが……別件で担当者はブチ切れました。

話を聞いて、私も怒って当然と思いました。
騙されたようなものですもの。

実際に藤商事の営業とは揉めました。
口にこそしませんでしたが、まさに本音は閻魔あいの決め台詞。

ただそんなひどい扱い食らったのは私のホールだけかもしれない。
なので外部的には口を噤んでました。

そうしたら……

というわけで「この業界恐ろしい」というコメントが口をついて出たわけです。
もう色んな意味で。

最終的に藤商事とは不本意ながらも折り合いました。
内容はチェーンによって異なる可能性ありますので控えさせていただきます。

藤商事に申し上げたいこと

先述した通り、抱き合わせ自体についてはしかたないと諦観しています。
禁書をヒットさせた藤商事としては、ここぞとばかりに抱き合わせしたくなるのも理解します。
しかし、その上で苦言を申し上げさせていただきたい。

 

今回の抱き合わせが今後に与える影響

本件を踏まえた今後の方針。

約束を反故にされた以上は当然でしょう。
信用できませんもの。
暴れん坊将軍を頼まれて買った店は恐らくどこもそうだと思います。

もしかしたら、藤商事もまた方針を変更するのかもしれません。

レールガンが成功したなら、その時はまた考えます。

ただ、最終的には地獄少女華の比率変わって割当増えたわけで。
もしかしたら暴れん坊将軍について埋め合わせた意味も込めてたのかもしれません。
きっと藤商事も申し訳なく思ってた、そうであってほしいです。
じゃないと、いつまでも遺恨を残しかねないので。

まとめ

私の店では現状満足するレベルで動いてくれています。
自分で打ってみたところ、世間で言われる通り演出もカスタムもイマイチ。
突破がきつく感じるせいか客も入れ替わり立ち替わり。
そのため導入当初は不安になったのですが……案外垂れない。
少台数に抑えたのが効を奏している面もあり「悪くない」という評価です。

「いい機械」とまで言っているわけではありません。
レールガンを成功と呼ぶには「悪くない」だけでは足りません。
同時期の「真・花の慶次３」や「牙狼月虹ノ旅人絆GIGA GHOST」よりよくても、そこは当たり前。
ガンダムUCなどと並んでホールに貢献し続けてくれるかどうかです。

販売方法によって成功と呼びうるためのハードルを藤商事自ら上げてしまった感は拭えません。
最終的に割当増やしていただいたことは感謝してますけど、それはそれです。

ただ、レールガンは少なくとも３月までは持ちこたえそう。
２月新台のルパンとひぐらしがあまりよろしくなさそうだからです。
もしかしたらこの先さらに伸びて、レールガンは真に成功と呼びうることになるのかもしれません。

そう思い、既に表となった情報にとどめる限度において記させていただきました。

どんな売り方されようとレールガンが店に利益をもたらしてくれるなら、私は文句ありません。
色々と愚痴りましたが、それはそれ。

ただし、