今年秋、菅首相の肝煎りでデジタル庁が発足します。
しかしその一方で防衛省のコロナワクチンシステムがとんでもないポンコツだったり。
国交省では不正アクセスで情報漏洩してたり。
果たして我が国は本気でITに取り組む気があるのでしょうか?
いえ、むしろ、
こんなに杜撰だからデジタル庁が必要なんだ!
と叫びたいための策略なのかもしれませんけど。
だったら今まで何をやってきたのかくらいは言いたくなります。
そこで思いついたのがGoogle PageSpeed Insightsで霞が関の各官庁を調べてみることでした。
Google PageSpeed Insightsについて
Google PageSpeed Insightsとは?
サイトを構築・運営に携わる人なら誰でも知っているGoogle PageSpeed Insight(以下、PSI)。
しかし本稿は知らない方も読むと思われますので、ざっくり記します。
PSIはサイトのページ速度・改善度を計測するツールで、SEOに用いられます
SEOとは「検索エンジン最適化」のこと。
Googleなどでの検索順位が上がるほど自分のサイトをクリックしてもらえます。
つまりアクセスが増えます。
そのために様々な対策を行うわけです。
公式サイトをPSIで調べてみる理由
もっとも、官公庁にSEOは不要です。
オンリーワンの存在なのですから、SEO対策しなくとも検索順位1位に出ますし、誰もがクリックしてくれます。
PSIで示される対策をとる必要がないわけですから、スコアが悪いことがデジタル化が進んでないとは決して言えません。
しかし視点を変えてみましょう。
重要なのはPSIにこめられたGoogleの理念です
WEBマーケティングに携わっている方なら周知の事実ですが、6月からページエクスペリエンスシグナルが検索順位決定要素に導入されます。
ページエクスペリエンスシグナルの内訳は次の図の通り。
LCP・FID・CLSがPSIで示される指標です。
どうしてこれらが指標に組み込まれるか。
つまりPSIのスコアが低いページは、訪問者のことを考えていないページ。
Googleは、サイトは訪問者ファーストであるべきと考えているわけです。
この視点からすると、
「スコアが高いほど各官庁は国民ファーストである」といえそうです
官庁にとっての訪問者は常に奉仕すべき国民ですから。
各官庁の公式サイトの計測
計測対象
官庁の数もいっぱいありますので大臣のいる官庁に限定します。
プラス、デジタル庁のティザーサイト(予告サイト)。
以下は、単純にスコアの低い順番に並べてみます。
逆に言うと、
対策する気のない、上から目鮮度がトップの順番です
法務省 スコア 16
13位 金融庁 スコア 22
12位 総務省 スコア 31
12位 デジタル庁 スコア 38
11位 内閣府 スコア 41
10位 国土交通省 スコア50
9位 外務省 スコア 51
8位 財務省 スコア 54
7位 厚生労働省 スコア57
6位 文部科学省 スコア 58
5位 防衛省・自衛隊 スコア59
4位 農林水産省 スコア60
ただし、以下は参考値です。
エラーが出たためやり直したのが1つ。
トップ画像が表示されていないことが1つ。
3位 環境省 スコア67
2位 警察庁 スコア 78
1位 経済産業省 スコア82
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フィールドデータとラボデータ
PSIにはフィールドデータとラボデータがあります。
フィールド データは特定の URL の今までのパフォーマンスについてのレポートであり、実際のさまざまな端末やネットワークの条件におけるユーザーから匿名で送られたパフォーマンス データです。ラボデータは、一連の固定されたネットワーク条件で 1 台の端末でページ読み込みをシミュレートしたデータです。
本来はフィールドデータとラボデータの双方で考えた方がいいのですが。
国民ファーストかどうかの視点からみたランキングなのでフィールドデータを主な基準として眺めていきます。
ワンツーはやっぱり経済産業省と警察庁
1位経済産業省、2位警察庁。
この二つは予想通りといった感じでした。
両方ともITと直結する官庁なんですから、悪かったら笑い物ですけど。
それでもこれだけのスコアは十分すごいと思います。
下位の官庁とは大きな差がある通りです。
特にびっくりしたのが警察庁。
改善点を見ると、とりうる範囲での対処はやっている感じでした。
スコアが悪くとも合格点の厚生労働省
最初に煽っておいてなんですが、スコアが悪いだけでは閲覧者のことを考えていないとは言えません。
PSIのスコアには速度だけでなく「対策すれば改善できる箇所を放置している」ことも反映されますので
例えスコアが悪くとも。
その意味では、全てに合格している厚生労働省は実質的に2位と言えます。
国民目線を感じた環境省
スコアも健闘してるんですけど。
Google検索結果のページ。
環境省へようこそ!
こんなフランクなサイトタイトル、環境省だけでした。
もっとも実際に、
環境省は著者の知る限り、キャリアでも腰が低く優しげな人ばかりです
栄えある「上から目線」1位は法務省
最下位は法務省。
国民への配慮がないわけですから「上から目線」1位と言い換えてもいいでしょう。
いくら官庁だからとか、その他の要素考えたとしても。
ひどすぎるスコアに見えます。
もっとも実際に、
霞が関で一番上から目線な人達なんだから仕方ありません
力を握るのは検事と裁判官。
日本で向かうところ敵無しの人達ですもの。
総務省はある意味もっとやばい
経産省と同じくITに直結する官庁のはずなんですが。
こんなんだから、携帯電話にしても通信料値下げにばかりこだわってベースバンド制限の問題は見落とすんだろうと思っちゃいます。
デジタル庁がFCPで最下位!?
FCPはページエクスペリエンスシグナル以外の要素ですが、大事な要素です。
FCPは何らかのコンテンツが画面に映し出されたタイミングです。
FCPに優れたサイトは閲覧者にとっては体感軽く感じられます。
最下位がデジタル庁ってなんなの!?
アニメーションふんだんに使ってるからねえ……
見映え重視ですごい!と思わせたいんでしょうけど。
画像のないティザーサイトでこれは……。
見映え重視で実がないとも言えます。
まあ、本番のサイトに期待ですね。
まとめ
案外イメージ通りの結果でびっくり。
途中でもさらっと触れた通り、本当はPSIのスコアだけで語れるものじゃないんですけど。
あえて、その上で。
役所の姿勢ってこういうところにも現れるものなんだね……
スコアにここまで差があると、きっと根本的に何かが違うんだと思う……
皆様はどう思われましたでしょうか?
ぜひ感想をお聞かせください
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