YAMAHAのサブウーファー「YST-FSW150」。
ラックに置ける独特のスリムな形状と抜群のコストパフォーマンス抜群で知られた名機です。
初めてホームシアターを組む場合は、「NS-SW210」と並んで真っ先に上がる候補でしょう。
残念ながら昨年生産完了となりましたが、まだまだ需要は高い様子。
本稿では、かつてユーザーだった私がYST-FSW150のレビューをさせていただきます。
なお、本レビューは私個人の好みおよび環境に拠るものです。
この点は最初に強調させていただきます。
YST-FSW150のセールスポイント
メーカー公式ページはこちら。
メーカーによる本機のセールスポイントは、
テレビラックにもすっきり収まる独自デザインを採用し、重低音の迫力が手軽に楽しめる省スペース設計のA-YSTサブウーファー
まさにそのままです。
加えて、以下の事項が本機のセールスポイントと言えましょう。
- 新品でも実売10000円前後だった求めやすいお値段。
- YAMAHAのAVアンプ(対応機種に限る)との電源連動。
以下、個別に記していきます。
テレビラックにもすっきり収まる独自デザインを採用
YST-FSW150の外観。
一般的なサイコロを思い起こさせる形ではなく、横長のスリムかつコンパクトな形状をしています。
この独特の形状により、テレビラックに応じた柔軟な設置が可能です。
比較対象に挙げられるNS-SW210は「薄型テレビやAVラックの側にもすっきり置けるスリムな新デザイン」として縦設置の画像で掲載されていることが多いです。
このことからから、逆にYST-FSW150は縦設置できないものと誤解する向きがあるかもしれません。
しかし以下の通り、本機の取扱説明書に明示されています。
重低音の迫力が手軽に楽しめる
具体的な使用感は後述しますが、お値段からすると十分にサブウーファーとしての用をなすと思います。
本機に搭載されているA-YSTⅡの説明はこちらです。
参考まで。
Advanced Yamaha Active Servo Technology II
1988 年、ヤマハは独自の YST (Yamaha Active Servo Technology) 方式により良質でパワフルな低音域の再生を可能にするスピ-カーシステムを世に送り出しました。この方式はアンプとスピーカーを電気的に接続することでアンプの動作を正確にスピ-カーに伝え、かつスピ-カーの動作をコントロ-ルできます。
この技術は、アンプの負性駆動によりコントロールされたスピーカーユニット、そしてスピーカーキャビネットの容積とポートとの間で起こる空気共振を利用したもので、通常のバスレフ方式のスピーカーユニットよりも大きな共振エネルギー(エアウーファー)を生じさせるため、従来小さなキャビネットでは再生できなかったような低音が再生可能になりました。
ヤマハが新たに開発した Advanced YST Ⅱは、従来の YST に数々の改良を加え、アンプとスピーカーの駆動をより理想的にコントロールするものです。アンプ側から見たスピーカーのインピーダンスは、周波数に応じて複雑に変動します。
そこで、スピーカーユニットの共振点に合わせ、従来の負性駆動と併せて定電流駆動を適用する新設計回路を開発しました。この回路の採用により、従来の Advanced YST にくらべ動作がより安定し、濁りのないクリアな低音再生が可能になりました。引用:YST-FSW150・YST-FSW050取扱説明書9p
求めやすいお値段
生産完了前までは新品でも1万円強でした(中古は7000円程度)。
設置しやすい形状といい、重低音のレベルといい、抜群のコストパフォーマンスだったと思います。
過去形なのは、現在はプレミアがついてしまっているから。
流通も中古がメイン。
どのくらいの価格で売られているかは、こちらでチェックしてみてください。
もっとも、
元値の割に幅があるけど
サブウーファーは中古だからといって性能が大幅に劣化するような機材でもありません。
新品にこだわらないのでしたら、現在もそれなりにお手頃な値段で手に入ります。
YAMAHAのAVアンプとの電源連動およびシステム接続ケーブルについて
YST-FSW150のもう一つのセールスポイントとして、
電気代の節約という点でも、ウーファーの電源をオンオフしなくてもいいという点でも、地味に便利な機能です。
システム電源連動可能機種はこちらです。
新品であればシステム接続ケーブルが付属しています。
しかし中古ですと、ついてないことも多いです。
この場合は電源連動できないのでしょうか?
こんなやつです。
なお、AVアンプなどとの接続はモノラルピンケーブルです。
私が使っているのはこちら。
Amazonベーシック スピーカーケーブル サブウーファーケーブル 2.4m
YST-FSW150とNS-SW210の比較
YST-FSW150とNS-SW210の仕様を比較すると、
NS-SW210には130Hz固定のハイカットフィルターがついています
ハイカットフィルターは不要な高域の音をカットする機能。
ハイカットフィルターがないとスピーカーの低音と音が被さってしまい、濁ってしまいます。
ただAVアンプの側で設定できるなら、どちらの機種であっても問題ありません。
再生周波数帯域はどちらも30Hz~160Hzで同じ。
ウーファー自身の大きさもほぼ変わりませんし、聴いてわかるほどの差は出ないと思います。
私個人の意見としては、
私も形で選びました(NS-SW210だと横が長すぎてラックに収まらなかった)。
両機種とYST-FSW050の比較
別途、形状の似ているサブウーファーとしてYST-FSW050があります。
こちらは再生周波数帯域が35Hz~160Hzと、両機種より若干劣ります。
その分安く出品されることもあるみたいですが……。
肝心要の性能が違う以上、私としては素直に両機種を選んでおいた方が後悔しないと思います。
YST-FSW150を使った感想
前提:私のホームシアターシステム
私のホームシアターシステムは、以下の構成による5.1.2です。
ここに本機を加えたものとなります。
プリメインアンプ YAMAHA RX-A1070
パワーアンプ Amulech AL-502H
フロントスピーカー BOSE 111PYW
サラウンドスピーカー BOSE 111AD
フロントハイトスピーカー BOSE 101VM
動画(映画・テレビその他)について
あるとないならあった方が絶対にいい。
そのくらいに変わります。
アニメが好きな方ですと「ガールズ&パンツァー 劇場版」など違いを実感できると思います。
音楽について
もともとサブウーファーで音楽を聴くのはどうなのかというのがあります。
参考程度にとどめておいてください。
低音の量感は確かに増すのですが、ぼわっとした感じに聞こえてしまいました。
音の繋がりもいまいち悪く、低音だけが浮いてしまってる感じ。
映画を見る分にはいいけど音楽を聴くぶんにはちょっとという感じです。
(私は別にピュア志向というわけではありません、念のため)
音の繋がりについては他のスピーカーを全てBOSEで組んでるせいかもしれません。
サブウーファーもBOSEに変えたところ、明らかに変わりましたので。
なお、音楽用のサブウーファーとしてはフォステクスが知られています。
まとめ
定価(26000円)の半値以下で売られていた生産完了前がコスパが抜群すぎただけです
でも省スペースでの設置が目的なら、YST-FSW150でもNS-SW210でもやっぱり買いだと思う!
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