WELQとは、DeNAが運営する健康・美容情報サイト。
この度大炎上してます。
一言でまとめようがないと言いますか、読んでみても何が何やらという印象です。
取材しないライターへの批判
私が知ったのは朽木氏のツイートがきっかけ。
取材しないで記事を書く(ネットにある情報をまとめ直す)ことが当たり前だと思っているライターさんをたまに見かけるのだけど、それ、ぜんぜん当たり前じゃないからな
— 朽木誠一郎 朝日新聞記者 (@amanojerk) November 27, 2016
むっちゃ同意します。
読者のためにも止めていただきたい。
引用以前の問題でヤバい?
さて、上記の朽木氏が、こんなリツイートを。
うわっ、話題のwelqですが、クリニックのサイトや自分のブログなんかを持ってるドクターは、検索で自分のブログ名で検索してみてください。
私もまさかと検索したら出てきたんですが、全くブログに書いてないことを書かれていて、引用以前の問題でヤバい。なんだこれ。— 相川晴(HAL) (@halproject00) November 27, 2016
当然ですが、かなりお怒りのようです。
引用以前の問題でヤバい
そこまで言われるとかなり気になる……というわけで調べてみました。
WELQの記事分解。
記事画像
検索してヒットしたのは2件。
本記事では下の記事だけ採り上げます。
https://welq.jp/4566
(11/29 WELQは記事消しました)
ページを開き、該当コーナーまでスクロールします。
引用元というか、参考というか、ネタ元として名前は記しています。
分解
ネタ元は
HAL様のページ
中川産科婦人科様のページ
http://www.nakagawa.or.jp/signal04.html リンク切れ
以下、便宜上、次の通り略させていただきます。
中川産婦人科様のページ:中川
元記事
妊娠初期や妊娠末期になると、頭痛に悩まされる妊婦さんが多くなります。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
一般論なのかなあ?
一応ネタ元を両方チェック。すると中川には、
妊娠初期や末期に頭痛に悩まされる方がいます。
(引用:中川産科婦人科「マタニティ通信 妊娠中に良くある症状(1) 頭痛)
「多くなります」と「います」。
これは意味が変わってしまうのではないでしょうか?
「多くなります」は「います」を包含しますので、より広い意味になってしまいます。
「多くなります」が産婦人科界の一般論ならいいのですが、そうでないなら専門家以外がこう言い換えるのはまずいと思います。
不安を煽る文章にもなりかねないでしょうし。
(元が「多くなります」で「います」と言い換えるのはアリ、ただし元著者の「警告」する意図は消えてしまいますが)
そのほとんどが妊娠のストレスや、出産への不安が原因と言われていますが、時に睡眠不足や、反対に眠り過ぎにより頭痛が起こることもあります。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
これは、両方の元ネタの合成ですね。
ほとんどは妊娠によるストレスや出産への不安が原因です。
(引用:中川産科婦人科「マタニティ通信 妊娠中に良くある症状(1) 頭痛)
睡眠不足で頭痛を感じる方も多いでしょうが、眠りすぎる事もまた、頭痛を引き起こす引き金になります。
(引用:HAL「32歳女医、そろそろ子どもが欲しい頃 妊娠中の頭痛と予防法」)
文章としては意味が通っていると思います。
妊娠後期は、夜寝付けなかったり、頻尿などが原因で夜通しぐっすり寝ることがなかなかできないため、ついつい昼寝をしてしまいがちですが、過剰な睡眠は避けて規則正しく生活することが、頭痛にとってはいいようです。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
まず、
妊娠後期は、夜寝付けなかったり、頻尿などが原因で夜通しぐっすり寝ることがなかなかできないため
この箇所はどちらのネタ元にもありません、オリジナルなんでしょうか?
私は男なんでわかりませんが、医学としての一般論なんですかね?
それならいいと思いますが……問題は元ネタとの比較
妊娠中は眠くなりがちで、
(引用:HAL「32歳女医、そろそろ子どもが欲しい頃 妊娠中の頭痛と予防法」)
の後に、そのまま
ついつい昼寝もしてしまいますが、過剰な睡眠は避けて規則正しく生活しましょう。
(引用:HAL「32歳女医、そろそろ子どもが欲しい頃 妊娠中の頭痛と予防法」)
と続きます。この文章はWELQの、
ついつい昼寝をしてしまいがちですが、過剰な睡眠は避けて規則正しく生活することが、頭痛にとってはいいようです。
と一致します。
だとすると、WELQの下記箇所は、
妊娠後期は、夜寝付けなかったり、頻尿などが原因で夜通しぐっすり寝ることがなかなかできないため
HALのこの箇所と一致することになります。
妊娠中は眠くなりがちで、
引用したものだとすれば、意味が全然変わってしまってます。
「妊娠中」と「妊娠後期」では指し示す範囲が全く違いますから。
医学的にみても妊娠後期にこうした現象が生じるというのであれば、この箇所は単純な一般論ですから問題はないと思いますが。
怪しいですけど「オリジナル」ということにしておきます。
また、読書やパソコン、特にスマホを長時間使用すること、ゲームや縫い物など、目を酷使することも頭痛と多いに関係があります。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
これは、両方のネタ元の合わせ技。
また、読書やパソコン、縫い物など、目の使い過ぎで頭痛が起こることもあります。
(引用:中川産科婦人科「マタニティ通信 妊娠中に良くある症状(1) 頭痛)
テレビやPCを長時間使用したり、スマホをずっといじっているとかなり目が疲れます。
(引用:HAL「32歳女医、そろそろ子どもが欲しい頃 妊娠中の頭痛と予防法」)
ゲームはテレビを言い換えたものでしょうけど、ゲームの方がより目が疲れるのは私でもわかるので問題ないでしょう。
「特に」は意味が変わります。
医学的に問題ある変化じゃないでしょうけど、PCと並べて「特に」というなら根拠が欲しいです。
目をゆっくり休ませて、ホットタオルを目の上に置きながら横になるとリラックス効果があり、頭痛緩和に繋がります。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
ホットタオルの記載はどちらにもありません。
考えられる該当箇所としては次の二つ。
リラックスできるように好きなことをして過ごしましょう。
(引用:中川産科婦人科「マタニティ通信 妊娠中に良くある症状(1) 頭痛)
ほどよい入浴は、血流改善となり、主に緊張型頭痛の改善に繋がります。
無理のない程度に入浴をしましょう。(引用:HAL「32歳女医、そろそろ子どもが欲しい頃 妊娠中の頭痛と予防法」)
リラックスや血流改善の具体例としてホットタオル。
これは御自身の体験談として語れる範囲の文章ですし、オリジナルとしてよいのではないかと。
もし肩の凝りが気になるようでしたら、それも原因の一つかもしれません。肩周りの簡単なストレッチなど、血行が良くなるような工夫をしてみましょう。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
この箇所は、HALの次の箇所。
首や肩のこりが頭痛の原因となる場合があります。
簡単な頭痛体操をすることで、頭痛を予防できることがあります。(引用:HAL「32歳女医、そろそろ子どもが欲しい頃 妊娠中の頭痛と予防法」)
WELQは肩しか述べていませんので、意味は変わってません。
(元ネタから、より範囲を限定しているため)
頭痛体操はHALにリンクがあったのですが、切れていました。
ただし、妊娠高血圧症候群による高血圧が原因で起こる頭痛や、目のちらつきには注意が必要です。痛みがひどかったり、横になって休んでも治まらない場合は、至急受診しましょう。
(引用元:WELQ「陣痛の始まり方や時間帯など本陣痛を安心して迎えるための大切なポイント」)
これは中川が元ネタ。
ただし、妊娠高血圧症候群による高血圧が原因で、頭痛や目のちらつきが起こることもありますので、痛みがひどかったり、休んでもおさまらない時は診察を受けましょう。
(引用:中川産科婦人科「マタニティ通信 妊娠中に良くある症状(1) 頭痛)
ほぼ同じですね、意味は変わってません。
記事構造
- 白色:オリジナルかつ問題なし
- 桃色:オリジナルかつまずいかも
- 黄色:中川かHALの引用で意味が変わっていると思料される
- 青色:HALかつ問題なし
- 赤色:中川かつ問題なし
妊娠初期や妊娠末期になると、頭痛に悩まされる妊婦さんが多くなります。
そのほとんどが妊娠のストレスや、出産への不安が原因と言われていますが、時に睡眠不足や、反対に眠り過ぎにより頭痛が起こることもあります。
妊娠後期は、夜寝付けなかったり、頻尿などが原因で夜通しぐっすり寝ることがなかなかできないため、ついつい昼寝をしてしまいがちですが、過剰な睡眠は避けて規則正しく生活することが、頭痛にとってはいいようです。
また、読書やパソコン、特にスマホを長時間使用すること、ゲームや縫い物など、目を酷使することも頭痛と多いに関係があります。
目をゆっくり休ませて、ホットタオルを目の上に置きながら横になるとリラックス効果があり、頭痛緩和に繋がります。
もし肩の凝りが気になるようでしたら、それも原因の一つかもしれません。肩周りの簡単なストレッチなど、血行が良くなるような工夫をしてみましょう。
ただし、妊娠高血圧症候群による高血圧が原因で起こる頭痛や、目のちらつきには注意が必要です。痛みがひどかったり、横になって休んでも治まらない場合は、至急受診しましょう。
まとめ
こうやって記事作れば楽だよなあ、とライターの方なら思うんじゃないでしょうか。
ライターオリジナルと言えるのは白とピンクの部分のみです(しかもピンクは内容に問題ある可能性あり)。
HAL氏は「引用以前」としましたが、
著作権法的な観点で見れば引用部分が区分されていない時点で「引用以前」なのですが……これについては多岐の論点にわたるため踏み込みません。
ただ、まあ、何と言いますか……元ネタにされたHAL様と中川産科婦人科様には同情を禁じ得ません。
内容改変以前の問題で。
自分で色分けして言うのもなんですが、ちょっと絶句してしまいました。
皆様はこれを見て、どう思いますでしょうか?
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