本稿では、公安調査庁を官庁訪問するにあたって読んでおきたい本・資料4冊とプラスアルファを紹介します。
面接対策にお役立てください。
1 内外情勢の回顧と展望
1冊目は、公安調査庁の出している「内外情勢の回顧と展望」(回展)です。
他官庁の白書にあたりますから、その意味で当然なのが一つ。
公安調査庁がどんな仕事やっているかパンフからではわかりづらいのが一つ。
せっかくネットで無料で読めるのですから読んだ方がいいです。
ただし、
精読する必要はありません
流し読みで構いません
どんな仕事をしているのか。
どんな団体をどんな角度から調査しているのか。
ざっくりと掴んでください。
わからなければわからないままでいいです。
もしその中に興味を惹くことがあれば、そこだけ精読するとよいでしょう。
2 国際テロリズム要覧
2冊目は、やはり公安調査庁の出している「国際テロリズム要覧」です。
もし国際テロが希望なら絶対に読んだ方がいいよ!
特集・コラムのところだけでいいから!
入庁して国際テロ担当になれば高確率で自分も作ることになります(係によります)。
自分がどんな仕事するのかのイメージが手っ取り早く掴めるでしょう。
国際テロに興味あるなら、官庁訪問対策を別にしても楽しめるでしょうし。
ただし、回展と違って、
国際テロに興味ないなら読む必要ありません
きっと読んだってわかりません。
むしろ、それで当たり前です。
3 国際テロリズム:その戦術と実態から抑止まで(安倍川元伸)
安倍川元伸元東北公安調査局長の著書です。
安倍川さんはリエゾン(海外情報機関との情報交換)・国際テロが専門。
私と同じ部屋だった時は、まさしく前項で採り上げた国際テロリズム要覧作成のキャップでした。
穏やかで人当たりよく、周囲からの信望もあったおっさん紳士です。
ノンキャリアであり、実務能力で出世した方。
それだけに見識は確かです。
著者は読んでないけどね……
ただ、安倍川さんは他にも著書がありますが、
こちらは目を通しましたけど、本当に単なる問答集。
実務家やジャーナリストが勉強に使う代物です。
入庁決まったらともかくとして、そうでないなら読む必要ありません。
説明読む限り、101問よりは勧められるといったところです。
4 独裁国家・北朝鮮の実像(坂井隆・平岩俊司)
坂井隆元公安調査庁調査第二部長の著書です。
坂井さんは北朝鮮・朝鮮総聯が専門。
公安調査庁で大黒柱として活躍した方です。
数十年前の在職中にもペンネームで朝鮮総聯に関する本を出しています。
(現物は庁内で見たことあるのですが、残念ながらペンネームを忘れました)
この本で読み取っていただきたいのは「知識」じゃありません。
(そもそも書かれたのが4年前ですから情勢も変わってきています)
調査対象に対する「態度」です
どれくらい淡々と書かれているか。
どれだけ冷めた目で見ているか。
恐らく公安庁に世間が抱くイメージとは、大きくギャップがあるはずです。
ただですね……
その淡々とした冷めた姿こそが公安調査官の姿です
程度の差こそあります。
しかし仕事においては職員みんながそうです。
特に本庁調査部は。
必要以上に安心とも危ないともみなしませんし、騒ぎません。
ただただ等身大の姿を暴き出すことに努めるのが公安調査庁のお仕事です。
本著を読んで思ったことは、公安調査庁が合うかの絶好の物差しになるんじゃないかなと。
読んで抵抗を覚えなければ受けても大丈夫だと思います。
5 キノコ煮込みに秘密のスパイスを(拙著)
最後に私の書いた小説です。
作品をめぐる騒動については、こちらを。
小説ですから全てが本当ではありません。
ただ公安庁内部に向けては、
私としては初任者研修の教材としても耐えられるレベルで書いています
また、仕事で評価されるためのノウハウも各所に散りばめています。
上を目指したければ入庁してからも使える実用書となるでしょう。
雰囲気についてもそのまま受け止めていただいて結構です。
お気楽ゆるゆるな面も。
果てなく陰湿な面も。
まとめ
公安庁については、上記以外は読まなくてOKです。
曲がった知識や変な色がついてしまいます。
公安庁の採用は無色無臭を好むところがありますので。
皆様の健闘を祈ります♪
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