作品情報
あらすじ
流川弥生は情報機関公安調査庁に勤務するスパイ。
その敵は某国とその在日組織、隠語で「マルセ」(北朝鮮と朝鮮総聯を示す隠語)と呼ばれている。
弥生は前途有望な職員だったが、上司と対立して横浜へ左遷されてしまう。
さらに左遷先では、一切の仕事が許されない「庁内ニート」としての扱いが待っていた。
どうにもならない辛い現実に弥生はやる気を失い、喫煙室に引き籠もって漫画やネット巡回に励む日常を過ごす。
おまけに整った外見まで、ストレスによって見るも無惨なピザデブに。
身も心も腐り果ててしまった。
そんな弥生を慰めるのは、妹に勧められたMMO「マッシュ」でのひと時。
「みつき」として相方「ねぎ」と一緒に冒険を楽しむ時間だった。
バレンタインデー、弥生は外に出て仕事をすることを一時的に許された。
しかし久々の尾行につくも、対象者に気付かれてしまう。
窮地に陥る弥生、そこに謎の女性が現れて──。
字数
:約20万字
キーワードタグ
R15 残酷な描写あり オフィスラブ ミステリー サスペンス スパイ 成長 ヒロインが男前 ツンデレ 三角関係 恋愛 コメディ シリアス 現代 公安調査庁 ハッピーエンド
作者プロフィール
元公安調査庁職員
慶應義塾大学商学部→国家一種経済職。
専門分野はイスラム過激派などの国際テロリズム、他は北朝鮮&朝鮮総聯を担当。
作品に対する反応
週刊ポスト紹介記事
歴史・推理小説家鈴木輝一郎先生のレビュー
belle著『キノコ煮込みに秘密のスパイスを』読了、感想。これは超収穫。
同業者重鎮から「面白いよ」と勧められた『小説家になろう』サイトに投稿されたネット小説。
推理小説です。
公安調査庁が舞台になった、珍しい話です。
PDFだったんだけど、PCで読むのはけっこう面倒。
ざっくり読みはやはり紙がベストなんで、4ページに割り付けてプリントアウト。最初、ぱっと読んだときに「これなら乱歩賞とれるのに勿体無いことするなあ」と思った。
で、腰据えて読んでみると冗長なところがかなりあるものの、主人公はキャリア組のエリートで、エリート臭ぷんぷんの嫌な奴全開で印象的。
公安調査庁の仕事しなさっぷりと、ゆるゆるの公安調査も雰囲気がある。
キャラクター優先で(カテゴリは「ミステリ」じゃなくて「恋愛」になってる)ストーリーらしいストーリーがほとんどない。こういう切り口はラノベでは手垢がついているんだろうけど、おっさん向けの一般小説ではあまり見ない。
ラノベのノリで歴史小説書いた名作『のぼうの城』って例がある。
ラノベ書きの筆力はあなどれん。これを「斬新」とみるか「つまらん」とみるかで評価が分かれるんじゃないかな?
新人賞に応募した場合、予選にかすりもしないか受賞しちゃうかのどちらか、って感じ。「とりあえず次の作品は新人賞に応募しなさいな」と思う。
これだけ書けるんなら地力はあるんだろうから、次も書ける。新人賞に落ちてから投稿サイトで公開しても遅くない。「小説家になろう」サイトで33万9千本ある作品のなかから頭ひとつ抜けるのは大変。
新人賞を受賞するほうがはるかに簡単。
今年の乱歩賞は310本しか応募がなかったんだから。興味のあるかたは下記からどうぞ。
キノコ煮込みに秘密のスパイスを(引用元:
鈴木輝一郎 今日もパコパコサイト削除済)
なお、文中の「同業者重鎮」は私も教えていただけませんでした。
作品ページ
追記:既にキノスパ読んだぜ!という方へ
「こんな弟クンは欲しくありませんか?」(通称:こん弟)をあわせて読んでいただけると嬉しいです。
こん弟は「裏キノスパ」。
ヒロイン観音の弟「小町」の視点から、キノスパの舞台の裏側で何が起こっているかを描いています。
なお、キノスパを「ミステリ」として愉しみたい方は、絶対に先に読まないで下さい。
ネタバレ全開ですので。