アナゴ

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2015-06-28短編

オレサマはモテる。
だからオンナ達が次から次へと寄ってくるし、貢いでくれる。

一昨日は化粧が派手な水商売風の姉ちゃん。
昨日はメガネの似合うカチッとスーツなOLさん。
そして今日はお嬢様風味でキレカワな女子大生。
もう毎日とっかえひっかえ。
しかも誰にも束縛されることはない。
まさにハーレム。
オレサマって何てリア充、ヒャッハー。

もちろんオンナ達は見返りを求めている。
だからオレサマもたまには「お返し」をしてやる。
ほ~んのちょっとだけな。
だがそれで、目をとろんと潤ませながらイッてしまう。
よっぽど快楽に飢えてるんだろうねえ。
オンナって哀しい生き物だねえ。

ま、それだけオレサマのテクニックはすごいってことだ。
イカせてやれないカレシやダンナが悪いんだよ。
オレサマに寝取られて当然ってことだな。

はっ、ざまあ!
ざまざまざまざまざまざまざまざまざまざまざまざまあ!

しかもオンナ達は自分を犠牲にしてまでオレサマに貢ぐ。
あるオンナはサラ金。
あるオンナはエンジョ。
あるオンナはナマポ詐欺。

それでもオレサマが警察に捕まることはない。
ちゃんと手を回してるから。
世の中Tueeeeヤツが勝つんだよ!

つか、オンナもバカだよね。
オレサマのテクに夢中になりすぎてコドモまでほったらかし。
至福の絶頂味わえるのは、せいぜい八一九二回やって一回なのに。

おっといけない。
またオンナが会いに来た。
んじゃな。

「いらっしゃいませ。パチスロホール『ナロウ』にようこそ!」

──しかし二〇一四年九月一六日、警察庁によって出玉規制が行われた。

  さらに数年経過。

……なんで、誰も会いに来ないんだよ。

みんなオレサマをあんなに欲しがったじゃないか。
あのドーパミンぶちまけるKAIKAN忘れちまったのかよ。

見ろよ!
もっとオレサマを見ろよ!

構えよ!
オレサマを構ってくれよ!

ちきしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

──そしてパチスロ台は、孤独に臨終を迎えた。

 


Author:天満川 鈴

小説家になりたい駄文書き、元公安調査庁職員。
国家一種経済職→入庁。イスラム過激派などの国際テロ、北朝鮮を担当。
朝鮮総聯へのスパイ工作を描いた小説「キノコ煮込みに秘密のスパイスを は週刊誌で紹介され、さらに推理・歴史作家の鈴木輝一郎先生から「江戸川乱歩賞獲れた」と絶賛。素人の小説としては異例の反響を呼びました。
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