Pentaconn(日本ディックス社)製のイヤーピース「COREIR -コレイル- BRASS」。
2023年春に発売するや、瞬く間に絶賛する声が方々で上がりました。
イヤフォン専門店「e-イヤホン」の2023年イヤーピース売上ランキングでは堂々の1位です。
私も買って使ってみました。
本稿ではコレイルの使用感について記してみます。
なお、音質その他は個人の主観によるものが大きいことは御注意ください。
あくまでも本レビューは私の感想にすぎないもので、何らの責任をとるものではありません。
私のコレイルに対する評価
最初に一言で評価を書いてしまいます。
奇跡!?
魔法!?
これで足ります。
そうした形容がまさに相応しい神がごとくのイヤーピースです。
本稿ではまず「奇跡」や「魔法」とも呼ぶべき使用感について先に記します。
その後に商品の説明をさせていただきます。
コレイルを買ったきっかけと使ってみた結果
コレイルを買ったきっかけ
私がメインに使っているイヤフォンはSONYのWF-SP800N。
製品名の通りスポーツ用の完全ワイヤレスイヤフォン。
私の用途もほとんどがスポーツジムです。
WF-SP800Nの特徴は重低音重視とIP55の防水防塵。
そしてアークサポーターによる抜群の安定した装着感。
トレーニングに使うという目的に限るならこれしかないと思えるほどのイヤフォンです。
しかし、はっきり言います。
音質が悪い!
中高音のこもりがひどくて音の分離感がまったくありません。
通販で試聴もせずに買ったから仕方ないんですけど、常用する気にはなれませんでした。
ただ、イヤピをAZLAのSednaEarfit MAX(Standard)に変えてみたところ、なんとか聴けるくらいには音質が上がりました。
他のイヤフォンに買い換える前に他のイヤピも試してみようと思った次第です。
コレイルをSONY WF-SP800Nにつけてみた結果
仰天しました。
音がとんでもなく変化しました。
いいえ、「変化」なんて生やさしいものじゃありません。
ハイエンドイヤフォンに転生しちゃったよっ!
小説家になろう風に例えるなら、まさに幼女神がチートをくれました。
実際にハイエンドイヤフォンの音質かはともかくですが、そう言いたくなるくらい次元が違いました。
重低音の量感はそのままにキレが上がり。
くすんでた中高音が明確に分離して解像度が上がり。
引っ込んでいたボーカルがくっきり前面に押し出されました。
聞こえる音は増えますが密度が高まる感じはありません。
その一方でスカスカした感じもひずみもありません。
音の隙間を「響き」がうまく埋めているかに思えます。
さらにイコライザーで整えてみたところ聴きやすさが向上しました。
私は一定の音質をクリアしてればいい人なので、ジムのみならず日常でも普通に使えます。
もちろんWF-1000XM4と比較すればそっちの方が上。
でもノイズキャンセリングで妥協できるならWF-SP800Nで十分と思える。
それくらいに激変しました。
充電ケースにもちゃんとおさまります。
深めなケースの作りが本当にありがたいです。
コレイルがWF-SP800Nにかけた魔法の秘密
1 金属コア
コレイルの最大の特徴は「金属コア」を埋め込んでいること。
金属は5円玉にも使われている黄銅製です。
これによって音に金属の響きを与えながら輪郭をくっきりさせます。
2 シリコン
コレイルに使われているシリコンは粘着性が高いです。
サイズがぴったりしたものを選べば、くっつくかのように密閉されます。
感触が似ていると思われるのがAZLA SednaEarfit XELASTEC。
イヤーピースを探す旅に出ると最初に知る有名製品の一つ。
「吸いつくような極上のフィット感」が売りです。
私はXELASTECを使ってないので連想しただけなのですが。
まさにその通りのことを書いていたレビューがありました。
シリコンの素材もかなり良く、AZLAのSednaEarfit XELASTECのようにめちゃくちゃ吸着性の高そうな素材を採用しています。
引用:ガジェログ「話題のイヤーピース「日本ディックス COREIR -コレイル-」レビュー|WF-1000XM4に超絶おすすめやった件」
コレイルに興味ある方は、本稿とあわせてお読みになられるといいと思います。
3 寸法が長い
WF-SP800Nに限ればですが、これは間違いありません。
コレイルの長さが音質向上に大きく寄与しています
どれくらい長いか。
こちらは寸法図です。
サイズ共通で9.4mmです。
この9.4mmとはどんな数字か。
長いとされるAZLAのSednaEarfit Crystal Standardで8.8mm。
AZLAのSednaEarfit MAX Standardで7.4mm(MSサイズ)。
SONYのハイブリッドイヤーピースも目測でMAXと同じくらいです。
WF-SP800Nの場合、イヤーピースが長いと何がいいの?
実は、WF-SP800Nはアークサポーターを外して耳の奥まで差し込むと音質が跳ね上がります。
気づいた時はびっくりしました。
製品レビューでも同じ意見が散見されます。
WF-SP800Nの音質そのものは実は悪くない。
ただアークサポーターのせいで耳の奥まで差し込めないため篭もって聴こえるんです。
しかし、
コレイルの長さだとアークサポーターがあっても耳の奥まで差し込めるの
そっか、WF-SP800Nの構造上の問題を解決してくれるんだね!
コレイルの欠点
残念ながらコレイルにも欠点があります。
以下に列挙していきます。
1 値段が高い
サイズ違い1ペアずつ、あるいは同じサイズの2ペアで3850円(e-イヤホンWEB本店価格)。
イヤーピースとしては尋常じゃない値段です。
どのくらい尋常じゃないか?
SONYのハイブリッドイヤーピースなら1ペアで199円。
高いと言われるAZLA SednaEarfit Crystalでも3ペアで2755円。
(いずれも記事執筆時点のAmazon価格)
1ペアで2000円弱というのはとんでもない値段なのがわかります。
2 サイズ合わせがシビア
コレイルのサイズはかなりシビアです。
ジャストを選ばないと効果が発揮できません。
私は他のイヤピだとSかMSサイズ。
なのでコレイルもSとMSを合わせましたが、
- Sサイズだと低音抜けてスカスカ(他のSサイズより細く感じます)。ノイズキャンセリングも利かなくなる。押しつければ耳の奥で密着してMSサイズ同等の音で鳴る。ただしずれやすくシリコンの粘着性も相まって不快。
- MSサイズでバランスとれた音(サイズ感はジャスト~わずかに細め)。上を向いたりなど極端に姿勢を変えると隙間が開く感じで音が軽くなる。
耳穴の形状も含めて個人差ありますので、あくまで参考程度に。
3 完全ワイヤレスイヤフォンは使える機種が限られる
完全ワイヤレスイヤフォンに取り付けるだけなら、ノズルが極端に太いなど特殊な形状でなければ使えます。
この場合でも機種によってはSpinfitのアダプタを流用して取り付けることができます。
しかし例え物理的に取り付けられたとしても。
日常的に普通に使うとなると、もっと大きな問題があります。
長さのせいで充電ケースの蓋が閉まらないんです!
例えばPixel buds A-seriesがそうです。
取り付けて使うことはできますが、充電ケースの蓋は閉まりません。
もちろんイヤーピースを外して充電して、使うときに取り付けるという方法はあります。
でも面倒くさいですよね?
4 中高音を押し出したイヤフォンには合わない
前項でPixel buds A-seriesでも取り付けて使うことはできると書きました。
しかし実際に使ってみたところ、別の意味で使えませんでした。
音がとっちらかってる!
例えて言うならチンドン屋?
同機種は元々バランスよく抜けのいい中高音が出ます。
それをさらに強調してしまうせいでそうなるのでしょう。
一応、付しておきます。
もしかしたら「いい音じゃないか!」とおっしゃる方もいるかもしれません。
好みの問題ですから、それならそれでいいと思います。
5 金属アレルギーの方は注意!
コレイルの注意書きです。
本製品の金属コアは黄銅素材にニッケルめっきを施しています。アレルギーをお持ちの方や、その可能性がある方、お肌が敏感な方はご使用をお控えください。
まとめ
コレイルは確かに高いです。
使える完全ワイヤレスイヤフォンも選びます。
形状・長さ的にも音質的にも。
特に形状・長さに引っ掛かる場合は最初からイヤピの選択肢に入らないでしょう。
しかしこの問題をクリアできている場合は、
ぜひ一度試してほしい!
相性次第ではガチで奇跡であり魔法だから!
特にWF-SP800Nのユーザーには!
きっとイヤピのファイナルアンサーだから!