ADHDにまつわるトラブルで恐らく1、2を争うのが「遅刻」。
これが簡単に治せるものでないのは、私も当事者なのですからわかります。
しかし意識を変えることはすぐにできます。
本記事は、その一助になればと、とある訓話を紹介するものです。
ADHDであろうと遅刻は許されるべきでない
私は遅刻で数え切れないほどの失敗をしてきています。
正直申しまして、ADHDと判明したときは何処か安堵した思いがありました。
遅刻したら恥じるべきですし、謝罪すべき。
何より最初から遅刻という悪癖を改めるべきです。
発達障害を理解しようという声も高まってますが、当事者の私ですら、本来してはいけないことを認める必要はないと思っています。
「悪癖を簡単に改められるなら苦労しない」とおっしゃる方もいるかもしれません。
私だってできてません。
しかし意識を変えることはできます。
大学生の頃、私は某サークルに入っていたのですが、行事、待ち合わせ、紹介してもらってたバイトなどの遅刻を幾度も繰り返しました。
そしてついに見るに見かねた先輩から説教されます。
ただ決して押しつけがましいものではなく、一方で説得力があったゆえ、骨の髄まで堪えました。
今でも頭に焼き付いています。
説教の内容
先輩は「ある本の受け売りだけど」として、次の通り述べました。
仮に物を盗んでも、返すことはできる。
その上で謝れば許して貰えることもあるだろう。
しかし遅刻して相手を待たせるのは、その人の時間を盗むのと同じ。
本来、その時間でできたはずのことができなくなるから。
そして物と違って、時間は返すことができない。
謝って、そして許して貰えたとしても、その事実が消えることはないんだ。
お前の遅刻は、周囲にそれだけの迷惑を掛けている。
せめてこのことだけは頭の片隅に置いといてくれ。
私のとった対策
時間は返すことができない。
このフレーズは、胸にどすんと来ました。
時間が不可逆的なのは言うまでもない。
つまり否定しようがないので。
だから遅刻が直ったかと言われれば、残念ながらそんなことはありません。
ただ他人との待ち合わせでは、以下の点に注意するようになりました。
- 待ち合わせの約束をそもそもしない。
- 可能なら私の家で待ち合わせる。
- 遅刻しても構わないよう、ショップや喫茶店で待ち合わせる(できるだけ相手の都合に合わせたものを)。
- どうしても時間を指定する場合は、かなりの余裕を見る。
- あるいは一時間前には現地に到着し、付近で時間を潰す。
- やむを得ず遅刻する場合は、判明した時点ですぐさま連絡する。
右斜め上な方向での対策ですが、寝過ごし以外の遅刻はかなり減りました。
謝罪も重要
謝って、そして許して貰えたとしても、その事実が消えることはないんだ。
しかし謝らなくていいわけではありません。
遅刻したら平身低頭で謝ります。
私に限らず、普通は間違いなくそうするでしょう。
その約束は先方から時間指定がなされ、さらに乗換案内まで送られてきました。
しかし当日、私は宿泊先でトラブルに遭ってしまう。
やむなく「五分ほど遅れる」とメールしました。
待たせてないか息を切らせて約束の場所に到着。
すると相手はまだ来ていませんでした。
電話するとまだ地下鉄の中、あと三〇分は掛かりそう。
いったい何の手違い? 時間指定してきたのは先方だぞ……。
まあいいや、私も遅れたのは遅れたんだし。
自分に遅刻癖がある分、他人の遅刻には寛大なつもり。
三〇分後、先方が到着。
そして私は呆然としました。
ありえない。
先方は遅刻なんかなかったかのように、普通に話しかけてきました。
顔を見ても、まったく悪びれた様子がない。
さすがの私も遅刻して謝らなかったことなんてありません。
そんなの説教される前から。
人として、まず最初に出るべき言葉ではないでしょうか?
この人、何かが壊れてる。
心底から得体の知れない怖さを感じました。
まとめ
紹介した訓話が、皆様の意識改善に役立ちましたら幸いです。
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