本記事ではワンタッチタイプのスピーカーケーブルを自作する方法を紹介します。
通常の場合、アンプとスピーカーはケーブルの銅線を突っ込むだけで接続できます。
しかしSONYのNETJUKEなどでは本体側が独自の仕様になっていて、アダプタがないと接続できません。
私の使っているNAS-M700HDのケーブルはこういう感じ。
なのでスピーカーケーブルを無くしたり、故障したりするとお終い。
また、ケーブル交換はコンポ・オーディオにおける廉価な音質アップの方法ですが、こうした製品の場合は気軽に試すこともできません。
ワンタッチタイプのコンポを持っている方、ぜひ一読してください。
ワンタッチスピーカーケーブルの自作に必要な物
1 スピーカーケーブル
何でもいいのですが、コスパ最強と言われているのはAmazonのBASICシリーズ。
Amazonベーシック 14ゲージスピーカーケーブル 15m
私の使っているのは14ゲージ。
スピーカーケーブルはゲージの数字が小さいほど太いです。
また太いほど音がいいと言われます。
実際のところは14ゲージと16ゲージであまり変わるものではないと思います。
でも14ゲージで15メートルだろうと16ゲージで30メートルだろうと、どうせ使い切れず余ります。
だったら値段は変わりませんし14ゲージの方がいいかなと。
もっとも取り回しは細い方が楽です。
メーカー付属のスピーカーケーブルは論外ですが、ある程度の太さがあれば改善されるはず。
その点において16ゲージを買ってもいいと思います。
(14ゲージだと若干加工作業がしづらい)
2 ワンタッチスピーカーケーブル用端子
富士パーツのAD-614(の後継品)を用います。
6個も要りませんし、値段も正直高い。
ただ余ったのは売ればいいのではないでしょうか?
3 またはキリ
NETJUKEの場合ですと、まず必要となると思います。
100円ショップに売っているので十分です。
こんなやつ。
4 紙やすり
そのままだとアンプに刺さりづらい場合がありますので、必要に応じて。
私は使いませんでした。
KAKURI 紙ヤスリMIXセット 12枚入(#80・#150・#240・#400×各3枚)
ワンタッチスピーカーケーブルを作ってみる
1 ケーブルを切り、両端の先端を剥く
ケーブルの長さは各自の必要に応じて。
ケーブルの真ん中にハサミを入れます。
少しだけ入れれば、あとは手で裂けます。
それぞれの先端をハサミでゆっくり甘く挟んで少し切れ目を入れます。
切れ目が入ったら、捻るなどしてじわじわ広げて引っこ抜き、芯線を露出させます。
こんな感じになります。
2 交換用端子にスピーカーケーブルを突っ込む
ケーブルの芯線を捻ってまとめます。
端子の出っ張り(写真参照、真ん中の白い部分)を押しながらケーブルを突っ込みます。
差し込む芯線の長さをぴったりにするのは難しいので、場合によってはプラスとマイナスが接触しないよう、ビニールテープを巻いて絶縁した方がいいかもしれません。
3 (必要に応じて)ドリルで端子差し込み部分の穴を広げる
端子の先端を見ると穴が二つあります。
NETJUKEの場合は、この穴が狭くて本体に刺さらないので、ドリルを突っ込んで広げます。
4 (必要に応じて)端子周囲を紙やすり等で削る
NETJUKEの場合、そのままでも入ることは入ります。
ただ、かなりきつい。
不安な方は、紙やすり等で端子のカドを丸く削って加工してください。
これで完成です。
スピーカーケーブルを交換した結果
スピーカーケーブルが音に影響するかは賛否両論あります。
しかし私の環境では劇的に変わりました。
私のリスニング環境
アンプ:SONY NETJUKE NAS-M700HD、イコライザ・M.BASSをOFF、DSEEをON
スピーカー:BOSE Acoustimass 5 Series III(AM5Ⅲ)
PC音源の再生については、
サウンドカード:ONKYO SE-90PCI
プレイヤー:MUSICBEE、イコライザーに「Eargasm Explosion」を設定
具体的な感想
まず音を慣らして最初に気づいたのが、音量が少し大きくなったこと。
「えっ?」という感じでした。
次に、音にまとまりが出ました。
バラバラだった高中音域と低音域が自然につながり、迫ってくるような臨場感が生まれました。
それぞれの音の解像度もアップ。
ボーカルに伸びが出て、各楽器の余韻が増し、音色が細やかになりました。
聞き苦しかった音の揺れがあったのがなくなりました。
交換する前は、曲によっては酔ってしまうレベルでした。
低音も自然に強調されました。
NETJUKEは低音が弱いという評判でもっぱら。
MEGA BASSという低音強調機能はあるのですが、onにすると音が不自然になるのが気に入りませんでした。
交換したところ、音に繋がりが出た分だけ全体に厚みが増した感じです。
音量アップも、この効果ではないかと。
以上によって、ボリュームを少し下げても明瞭な感じに。
そこまで良い耳を持っているわけではないのですが、ようやくBGMを自然に聴けるレベルになりました。
あくまで私の主観ではありますが、自宅環境と同一という条件であれば、ブラインドテストでもわかるレベルで改善しました。
(特に、音質以前に、音の不快な揺れがなくなった点で)
スピーカーケーブルで音が変わった、考えられる原因
SONY純正スピーカーケーブルと今回自作したスピーカーケーブルの比較。
左が純正、右が自作です。
純正は、比べるとまるで糸みたい。
さすがにこれは音が変わって当然な気がします……。
ただし、
私はオーディオに疎いので、その辺はよくわかりません。
ただ接点洗浄剤や接点復活剤が音質改善に役立つ話などもあるので、ありうるかもなあと。
何せ古い品ですので……。
(NETJUKEは最新のNAS-M700HDでも2008年製)
まとめ
メーカー純正スピーカーケーブルが入手できなくて困っていた方にはお役に立てたかと思います。
また、NETJUKEユーザーの場合、ケーブル交換によって音質改善を図れる可能性があります。
総額3000円程度の出費ですし、余ったパーツを売るなら更に安く済みます。
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